土方巽の肉声
昨日の続き。秋田弁の話。
昨日とは違ってちょっとマニアックな人の秋田弁です。
私にとっては非常に重要な秋田出身者である伝説的舞踏家土方巽。カミさんを通じて、彼とは非常に不思議なご縁がありました。以前いろいろと書きましたので、詳細はこちらからどうぞ。
土方巽の肉声というのを、私は聞いたことがなかったのですが、最近YouTubeにいくつか上がっていたので、ここに紹介します。
明らかになまっていますね。
彼の舞踏は、今では世界的な芸術のように言われていますが(私もそう思っていました)、カミさんの話を聞いたり、あるいは地元の雰囲気を体感したり、関係者に直接お会いしたりすると、ある意味彼は非常にローカルなことをやっていたということに気づきます。
すなわち、ローカルがグローバルになりうる、あるいはローカリズムこそが真のグローバリズムを生むということに気づきますね。
次の動画には、土方巽を取り巻く、細江英公、横尾忠則、田中一光、澁澤龍彦らが登場しますが、よく考えると、彼は東京で活動していたとはいえ、皆ある種の地方性を持って集結していたわけですよね。
東京という都市の本質、あるいは象徴としての新宿という街が持つエネルギー源というのが分かるような気がします。
2020年の東京が発信すべきものは、実は表面的な「国際都市TOKYO」ではなく、あらゆるローカリズムを呑み込み、そして吐き出す「和の都市東京」なのではないでしょうか。
そういう意味でも、やはり私たちが「昭和」に学ぶべきことは多いと思います。昭和は決して都会の時代ではなかったのです。
都会によって逆照射された「田舎」が実は輝いていた時代とも言えましょう。今の方が、地方は地方らしくなく、単なる「エセ都会」のようになっているじゃないですか。
方言は「文化」のアイコンです。土方の舞踏も広義の「方言」だと言えるのです。
先日書きましたとおり、「文化」とは「その土地風土のアイデンティティーが人間の活動(生活)を通じて現れたもの」なのですから。
そう考えると、「方言」を全く持たない私は、全然文化的ではないということでしょうか(苦笑)。
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