BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU 『ray』
BUMPの3年3ヶ月ぶりの新譜「RAY」が発売されました。
BUMPのCDは買わずともあるところからちょっと遅れて届くので、私はまだ聴いていません。
どのように変わったのか、どのように変わらないのか、培ってきた彼ららしさの中から生まれる新しい彼ららしさに期待しております。
新譜を手にする前に、アルバムタイトル曲の「ray」はPVとともに聴くことができました。
おっと、シンセの音はフジファブリック調(特に「CHRONICLE」)ではないか!相変わらずシンプルなコード進行の上に、生き物のごとき自然な起伏のあるメロディーが乗っている佳曲であります。
藤原くんの作るメロディーは、その詩における言葉のように、日常的(ある意味普通な)もののなかに、キラリと光る瞬間があって(まさにあるタイミングで突然「光線」が発せられる)、印象的です。
今回、この「ray」に関しては、また別の興味深い「光線」がリリースされましたね。
この「光線」は人によってはまぶしすぎるというか、ある種の違和感を与えているようです。
そう、なんとあの「初音ミク」との共演(コラボ)バージョンが発表されたんですよね。
まあ賛否両論あるのは当たり前。私はとにかく楽しみましたし、新しい可能性を感じましたね。
基本、我が家はバンプもミクも好きな、つまりオタクな家族なので、みんな大興奮でした。
これはバンプにとってもミクにとっても、特別な共演ですよね。それぞれ他のアーティスト(ボカロをそう呼んでいいかわかりませんが)と共演したことあるのかよく知りませんけれども、とにかく両大御所ミュージシャン(?)が、全く予想外にコラボしたことに驚きと喜びを禁じえません。
そう、夢にも思わないというやつですね。夢で見たら「あ〜あ、バカな夢見ちゃった」ということになる。
生身の人間と機械音(生声のサンプリングではありますが)との共演というのには、本当に新しい可能性を感じました。
考えてみれば、まず楽器の世界においてそういうことが起こったわけですよね。100年ほど前に。
生楽器と電子楽器の共演です。これも実は最初は賛否両論だった。いや、ほとんど否定的な感想だったわけです。
しかし、今やそんな共演は当たり前…どころか、生楽器のサンプリング音源なんか、当たり前に使われています。
そういう意味では、100年後は、たとえば藤くんの声のボーカロイドが普通に新曲を歌っているということもありえるのです(笑)。
特にこの二人(?)の共演におけるスペシャルな興味は、藤原くんの「言葉に対するこだわり」が機械によってどのように表現されるかという点です。
だからこそ、生の言葉、魂の言葉、肉声を大切にしてきた(と思われる)藤原くんがなんで〜?という反応があるわけでしょう。
しかし、私はそれこそ予想外の感想を抱くに至りました。
これが他のアーティスト、他の人の歌詞(言葉・日本語)だったら、やっぱり「ボカロ曲」の範疇を超え得なかっただろうなと。
藤原くんの言葉だからこそ、初音ミクの新しい可能性が拓かれた。ヴァーチャルな存在である初音ミクが大きく成長したと。
たしかに、今までも、美空ひばりと初音ミクの不思議な共通点について書いてきましたけれども、「ものまね(モノを招くという意味での)」の優れた「器」として、二人はたしかに人間のレベルを超えて素晴らしいのです。
だからこそ、不思議と涙が出る(あとは中学生の合唱もそうです)。
そんなミクの「純粋さ」「ひたむきさ」に、藤原くんの音楽、言葉、そしてBUMP OF CHICKENのバンドとしての「純粋さ」「ひたむきさ」がうまく共鳴したのだと思います。
ま、それを一言で言えば「中二病」という愛すべき病(社会から見れば異形なのです)なんでしょうか。
いやあ、それにしてもPVのミク、可愛いなあ(笑)。
藤原信者もミク信者も、単純に「異性」との共演だったら、大炎上するところですが、この浮世離れした者どうしだったら、まあなんとなく許されてしまうところが面白いですね。
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