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2014.03.05

『ガンバリ先生に贈るママとの正しいつきあい方 ~教育現場の危機管理と信頼関係~』 星幸広 (マイナビ)

Th__20140306_113342 日は実用的な本。教師のための本ですが、案外他の職業の方にも、あるいは親業に従事している立場の方にも有用なのではないでしょうか。
 私は、基本的に生徒の保護者の方々との様々な話し合いや折衝を楽しめる人間だと思います。
 世の中では、モンスターペアレントとか、クレーマーとか言って片付けてしまうような方々のことが、心から好きです(笑)。
 いや、本当に。なぜなら、そういう方々はとにかく「愛」が深いのです。子どもを愛したいし、学校を愛したいし、先生を愛したい、そして、その反面、ご自身も愛されたいという気持ちが強い。
 つまり、とっても人間的なのです。
 私はそれが自然な人間の姿だと思っています。まさに「自然」なのです。自然は「愛」に満ちています。愛したいし、愛されたいのが自然です。
 自然の場合は、その「愛」が恵みだけでなく、災害として表れることもある。それを日本古来の神道では、「和魂(にぎみたま)」と「荒魂(あらみたま)」と言います(最近、よく出てきますね、この二つの言葉)。
 私にとっては、その荒魂も「愛」の表現ですから、その「愛」に気づき、こちらも「愛」をもって接して、荒魂を和魂に変えるようにすればよいのです。
 先日もどこかに書きましたが、「荒魂」はなくなれば良いわけではありません。おそらく西洋近代文明はそれを抑えこむように発達してきたと思います。災害や病気や犯罪のことを考えればよく分かります。
 しかし、結果として「戦争」という最も忌むべき荒魂を発動させてることになってしまったのは、皮肉というか、いや当然のことですね。
 だいぶ話が教育現場から離れてしまうようですが、実はこの「荒魂」のコントロールが「祭」であり、「まつりごと」なのでした。
 私にとっては、生徒のケンカも問題行動も、親子の軋轢も、そしてモンスターやクレーマーも、愛すべき「荒魂」であり、それに対する現場というのは、まさに「祭の場」なのであります。
 こんなこと言うと、いったいどんなセンセイなんだと心配されてしまいそうですが、実際そう思ってそうやってきて、まあうまく「教育」システムが(生徒にも親にも先生にも)働いているので、これはこれで自信を持っているところです。
 そういう意味で、「何かあったらチャンスと思え」「何かあった時のみが成長のチャンス」といつも職員室で言っております。
 さてさて、この本もまた、基本私と同じような視点に立っていますね。とても共感できました。もちろん、言葉は違いますが。
 紙の本にしてたった35ページですから、誰でもすんなり読めますし、なにしろその中に非常に本質的なことと、実用的な技術が書いてあるのでおススメです。
 モンスター・ペアレントという言葉を発明したある方とは、私はある意味犬猿の仲(すなわちホントは相思相愛?w)で、あなたこそモンスターでしょと言いたいわけですが(笑)、考えてみると「モンスター」の「モン」と日本語の「モノ」の語源は一緒かもしれないんですよね(こちらの記事参照)。
 私は「コトよりモノ」とずっと言ってきているし、結局モンスターが好きなんですよね。まさに「モノ好き」っていうことですか(笑)。

学校の先生におススメする関係図書
 小野田正利『悲鳴をあげる学校』
 星 幸広『実践 学校危機管理―現場対応マニュアル』

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