『東京五輪で日本はどこまで復活するのか』 市川宏雄 (メディアファクトリー新書)
今日は東京大空襲から69年目の日。
たった2時間半の間に38万発を超える爆弾(焼夷弾)が投下され、10万人以上の一般市民(非戦闘員)が春先の強風にあおられた火炎の中で亡くなりました。
その後も繰り返し空襲を受け、まさに焦土なった昭和20年の東京。
それから19年後の昭和39年には、昨日書いたように新幹線も走り、高速道路も整備されて「平和の祭典」東京オリンピックが開催されました。
ものすごい歴史の振幅ですね。日本という国は本当に恐ろしいほどの不思議な運命の中に生きています。
昨日の記事のごとく、私はまさにその五輪の年に生まれました。10月5日、開通したばかりの新幹線で静岡から東京に戻っています。その時の記念乗車券などが最近実家で発見されたとのこと。
そして10月10日、オリンピック開会式。まさに「戦後」を終わらせ、日本人に自信と誇りを取り戻させた五輪。この半世紀前の五輪をきっかけに、さまざまな分野で日本は大きく進歩しました。もちろんそれを先導したのが「東京」という都市。
その新生東京も私と同い年ということで、今年50歳を迎えるわけです。私と同様、東京という都市もそろそろ体や脳みそにガタが出てきましたね。
一方で、私も今や成長よりも成熟を心がけているわけでして、東京という街にもぜひそうなってもらいたいという気持ちがあります。ある意味、今までもこれからもライバル?
そんな時、見事なタイミングで2020年東京五輪開催が決定しました。本当に、東京にとっても、私にとっても、すなわち日本にとっても日本国民にとっても、素晴らしいチャンスがやってきたという気がします。
そんな次期東京五輪が私たちに与えてくれる素晴らしいプレゼントについて、本当に前向きに楽天的に紹介してくれているのがこの本です。昨日のリニア本の著者市川さんの最新刊。
市川さん、リニア本でもそうでしたが、ある意味楽天的すぎるくらいのプラス思考でよい。
もちろん、反論もたくさんあることでしょうけれども、そんなことは当たり前で、だからこそこういうプラス思考のオピニオンリーダーがいなくてはならないのです。
というのは、私たちの未来はほとんど「気分」で決まるからです。この本にも、経済は「気分」で動いているというようなことが書かれています。
私も、このブログで何度か集団心理ならぬ「集団気分」について書いてきました。個人の「気分」の集合体が未来を動かす原動力になっているという話です。
みんながマイナス思考になれば、実際に世の中全体が暗く衰退していくし、みんながプラス思考になれば、明るく活発な世の中になっていく。これはいろいろなスケールで私たちが実体験していることだと思います。
だからこそ、いろいろな心配、たとえば財政上のこと、地震や津波のこと、テロのことなど、当然想定されるリスクは事実として受け止めながらも、それを乗り越えていく、あるいは回避していくためにも、基本「なんとかなる」「絶対うまくいく」というプラス思考が大切だと思います。
私は、「時間は未来から流れてくる」「原因は過去ではなく未来にある」という哲学をもって生きている人間ですから、特にそのように思うのです。
そして、「未来に原因を作る」のは「言霊」だと思っています。こうして市川さんのように、明るい言霊を発することに非常に大きな意味を感じるのであります。
皆さんもぜひこの本を読んで、「気分」を盛り上げてほしいと思います。
私も自らの「気分」を具体的な「妄想」にして、それを「言霊」の力で現実化していくつもりでいます。けっこうマジで人生かけてます(笑)。ライバルであり盟友である「東京」のために裏で一肌脱ぎますよ。
かの戦争も「気分」の集合によって動きました。第二次世界大戦からおよそ80年後に行われる東京五輪。人の人生の長さで言っても、ちょうど「戦後」の終焉を告げる頃ではないでしょうか。
東京五輪が、我々人類の成熟を促し、戦争の時代に本当のピリオドを打つきっかけになることを願います。
Amazon 東京五輪で日本はどこまで復活するのか
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