音楽における神と悪魔と人間…その2(佐村河内守さんの記者会見を見て)
今日の話題を一気にさらってしまった感のある佐村河内守さんの記者会見。
完全とは言えずとも、神か悪魔か知らないが「つきもの」の取れた佐村河内氏は、その見た目からして抜け殻のようになっておりましたね。
以前、新垣隆さんの記者会見を見てに書いたとおり、今回の事件には人知を超えたところでの音楽の働きが関与しているので、ただ単純にどっちが悪いとか、とんでもない野郎だとかいうのは、まあ言うは簡単、無責任というものです。
私たちはちゃんと本質をとらえないと。
今までもたくさんの音楽家たちが、音楽に魅入られ、取り憑かれておかしなことをしでかしたり、命を失ったり、奪ったりしてきました。
特に天才的な才能を持った人たち。モーツァルトとサリエリの物語を思い出すまでもなく(佐村河内が天才かどうか…これは微妙ですが)。
そう、考えてみると、かの天才志村正彦も、最後は音楽に命を奪われた、いや、音楽に殉教したと言ってもいいかもしれない。
彼は、亡くなる1週間くらい前から、ある種異様な状況に置かれていたようです。すなわち、音楽や詩がどんどん降ってきてしまい、それを受け止めるのに精一杯になっていたということです。
そうなると、眠ってしまうのも罪のような気がしてしまう。友だちと呑んでいる時間ももったいない。というか、申し訳ない。なぜなら、神が目の前に降臨しているのだから。無視できるわけないじゃないですか。
天才とは、そうして神や悪魔と1対1で対峙し、闘わなければならない存在なのです。
おそらく、佐村河内氏の前にも、神か悪魔が降臨していたのだと思います。今日の会見にもあったように、自分がどんどん巨大化して、制御できなくなってしまう状態。それは、彼に限らず人間ならば、なかなか抜け出せない状況でしょう。
まあ、レベルは違いますが、私もなんだか他力によってトントン拍子にコトが進むことが多々ある(特に最近)のですが、そういう時には、なるべく自我を消すように気をつけています。
すなわち、自己を意識しすぎることによって、自己を食い物にして肥大化する自己という、どうにも止まらない循環を断ち切るためです。
私はなんちゃって禅をやってきたおかげか、比較的そういう無我の境地を「作る」のが得意なのですが、あくまでも「作る」ものなので、かなり注意していないと、ちょっとした破れ目から暴走する危険性があります。けっこうギリギリのところでやってます(笑)。
結局、佐村河内氏も新垣氏も、音楽という甘美なる神か悪魔かが目前に出現し、それぞれの精神が各々の精神自身を食い物にして巨大化し、巨大化すればまたさらに多くの精神が必要とされ、そして…というスパイラルに陥ってしまったのでしょうね。
そんな自分たちをなんとかこの世の掟の中に収めるために、嘘というメッキを身にまとったのでありましょう。
私は、そんな彼らにある種の同情を抱くとともに、一方で不思議なジェラシーをも抱くのであります。
なぜなら、彼らを食い物にして育った彼ら自身の精神を器にして、その神か悪魔自身かもまた、さらにさらに甘美さを増し、歴史に残る音の組み合わせに姿を変えて私たちの耳に届くことになったからです。
そういう意味では、二人の悪業を代償として生まれた罪深い(からこそ美しい)音楽たちなのかもしれません。本当のゴーストライターは、まさに「ゴースト」であったのではないでしょうか。
音楽自身には罪はないというような言い方もされましたが、実は音楽にこそ罪があったのでありましょう。
ところで、ふと今思ったのですが…私、今いろいろな分野で新垣氏のような立場になることが多々ありまして(って言っちゃってるじゃん…笑)、先ほど書いたように、ワタクシを捨てて「どんどん手柄は持って行ってください」と言っているんですよ。
でも、これって、そんな私利私欲を捨てた自分に酔っているのかもしれないし、ある意味では、佐村河内氏を生むような行為をしているのかもしれないなと思いました。
いや、手柄を得る人も私利私欲なしでやってるのだから、いいのか…人に迷惑かけているわけではないし。世のため人のためだから…でもなあ、付随してとんでもない量の人やカネが動くとも言えるしなあ。
というわけで、こうして少しずつ小出しにしていけばいいのかと(笑)。ま、とにかくいろいろ考えさせられる記者会見でした。お二人と音楽の神(悪魔)に感謝であります。
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コメント
「あらー、代理人の弁護士登場?会見までゴーストにやらせるのね」
と思ったら
ご本人でした・・・・・。
投稿: A.i | 2014.03.08 21:19