WRESTLE-1 『SUNRISE TOUR 2014』 山梨大会
富士吉田の誇るヒーロー武藤敬司率いるWRESTLE-1(レッスルワン)の山梨大会に行って来ました。
う〜ん、正直…面白かった!!w
昭和の時代からずっといろいろなプロレスを見続けてきたワタクシとカミさんでありますが、今回の興行はその中でも非常に満足度の高い内容でした。
新日本プロレスのトップレスラーからニューヨークで世界のトップに立ち、そこから電撃的に全日本プロレスの社長になった武藤。そして、初めて自らの理想を追究する団体WRESTLE-1を立ち上げたのが、昨年9月。
武藤敬司が世界中の様々なプロレスを体験したのちに目指したものは、こういう世界だったのですね。
彼は「今までにない新しいプロレス」と言っていましたが、これはある意味非常に「古典的」なプロレスでしたよ。
一つ一つの試合の感想や内容は今日は書きません。その場にならないとカードが分からないという面白さ(ドキドキ感)を感じながら、公式の試合結果をご覧ください(写真もふんだんにあります)。
SUNRISE TOUR 2014 アイメッセ山梨大会試合結果
ここでは、ワタクシ得意の文化論としてのW-1を語りたいと思います。
先ほど「古典的」と書きましたが、それはすなわち、試合内容のことではなくて、会場の雰囲気のことです。どこか懐かしい昭和の地方プロレスの雰囲気が非常に強く感じられました。
それは「非日常」です。「ハレ」「祭」とも言うべき非日常。それも荒魂(あらみたま)の発現と昇華というある種宗教的な時空間です。
違う言い方をすると…これは決して差別的な視点で言っているのではありません…「異形」の聖性ですね。
人並み外れた巨体、異様な筋肉の塊、一般社会ではありえない狼藉者、闘う女子、小人、ボケ老人、そして観客の中に散見される社会性の欠如や障害。
そうした「モノ」どもが、輝き、歓喜し、恐怖し、そして共感、同情しあう。カミさんも「これは理想郷だ…」と思わずつぶやいていましたが、私も全く同じ幸福感を味わいました。
こうしたある種の祭祀、あるいは見世物が、マレビトとして地方を巡行することこそ、現代のマスメディア時代、トポスの消失した現代において、必要なことなのだと痛感しました。
その「場」に居合わせた者だけが味わえる独特の一体感はなんなのでしょう。おそらくは、そうした「モノ(のけ)」性、非日常、ハレによって、コト(言語・社会)化されている日常、ケが照射され、その「モノ」の「場」が終了する中で、皆が再び日常に帰って行って、そしてそこで再びたくましく生きることができるというシステム(智恵)があるのでしょう。
リングというマージナルゾーンでは、男女ともにある種の暴力(荒魂)が許され、また、小人(パンニャン選手)やボケ老人(がばいじいちゃん選手)が夢のような動きで健常者の象徴たる大男たちを翻弄する。
こんな「物語」世界が、いったい今、他のジャンルにあるでしょうか。
まさに「ファイティング・エンターテインメント」であり、一流のイリュージョンであったと感じました。
そういう意味では、いつも書いているとおり、ああ、これは本来大相撲が果たすべき役割だなと思いましたね。特に、サプライズで登場した高山善廣選手とロブ・テリー選手の「ぶつかり稽古」はシンプルな神事でしたね。
後の席に座っていたおじいさんが、「ああ、もうやめてやれ」とか「かわいそうだ」とか「もう起きちょ(フォールを返すな)」とか真剣に感情移入して観戦しているのが、なんとも感動的でした。
本当に老若男女、ベテラン、一見さん、みんなが満足できた興行であったと思います。武藤さん、GJです。
ちなみに武藤敬司選手は、私の学校の母体となっているお寺の檀家さんです(笑)。いつかプロレス文化について語り合いたいと思っています。今年実現するかな?
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