追悼 クラウディオ・アバド
偉大なる指揮者クラウディオ・アバドさんが亡くなりました。
いわゆるクラシック音楽をほとんど聴かない私にとっては、あまり身近な存在ではありませんでしたが、比較的最近、古楽というワタクシの畑で大変素晴らしいお仕事をされまして、ちょっと、いやかなり感動させていただき、やっぱりすごい人なんだと思っていたところでした。
2011年のバッハのブランデンブルク協奏曲の全曲録音、そして、このライヴ。
これは本当に素晴らしいですよね。アバドがバッハに至るとこういうことになるんですね。5番の、チェンバロに隠れた指揮ぶりを観て下さい!2楽章は振ってませんね。振らないことが指揮になる。そして…6番では舞台にすらいない…これはもう「禅」ですね(笑)。
そしてバロックらしい自主性を導き出された愉悦のアンサンブル。これは古楽畑のワタクシもかなり刺激を受けました。
まあ、演奏者もヴァイオリンのカルミニョーラや、チェンバロのダントーネなど、イタリアのプログレッシヴ・バロックの雄たちですからね。
そこに…おお!ミカラ・ペトリまで登場している!それもキーの付いた謎のモダン・リコーダーだ!ww
本当に世代、スタイルを超えたオールスターズ。もうこういう次元になると、「畑」は関係ありません。楽器のスタイルなんかもどうでもいいですね。自分が「畑」でやってきたこと、こだわりの無農薬有機農法みたいなのがどうでもよくなっちゃいますね(笑)。
いや、私はけっこうなんちゃって楽器でなっちゃって奏法をやってきましたから、案外にこの世界に近かったかもしれない(?)。
アバド自身、愛人だった(!)ムローヴァ女史の影響もあって、古楽器の勉強したんでしょうね。ちゃんと学ばないと、こういう音楽にはなりませんよ。
学んで、そして、それを凌駕してしまった。もっと上の次元でこういう幸福な時間と空間を創りだしてしまうのだから、まあ超一流とはこういうものなのでしょうね。
アバドさんがこうして、晩年にバッハに辿り着いた、いや還ってきたことは私にとっても嬉しいことでしたし、きっとアバドさんにとっても幸福なことだったでしょう。
天国で、もっともっとバロック音楽も指揮してもらいたいですね。ご冥福をお祈りします。
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