「まつりごと」とプロレス
昨日は藤原龍一郎さんと束の間の「プロレス文化」談義をさせていただき、とっても楽しかった。
私たちにとってプロレスはまさしく「文化」です。
今日、そんなプロレス文化をよく理解されている東スポの柴田惣一さんの「宮内庁とプロレス」という素晴らしいコラムを読みました。感動しました(笑)。
考えてみると、柴田さんは学習院の出ですからね。本流です。さすが。
プロレスをよくご存知でない方にとっては、あんな八百長とか、あんな茶番とか、子供だましとか、野蛮だとか、そういうイメージしかなくて当然です。私はそれを否定しません。プロレスが分からないヤツは…とか言いません(笑)。
しかし、本来相撲が持っていた「神事」の側面をプロレスが継いでいるというのも事実であり、そうした文化論的、もっと言うなら神道的な捉え方をしていくとプロレスの本質がよく分かります。
そうそう、こちらに書いたように、あの2011.3.11の大震災の日、本来なら大相撲春場所が行われているはずでした。しかし、多くの不祥事によって戦後初めて本場所が中止になった。営々と続いてきた「地鎮」の神事が行われなかったのです。そして…。
あの時は、全日本プロレスが大相撲の代わりに神事を行いました。こちら3.21両国大会です。
最近私の中でキーワードになっている「国譲り」の要素もプロレスには顕著に見えますよね。「負けて勝つ」というやつです。
プロレスは単なる勝敗にはあまり価値はありません。負けっぷりというのも非常に大切です。散り方。逆にそういうところに感動したりする。負けることによって、魂をリングに観客の心に刻み込むことができる。
また、何度負けても立ち上がることが許される。負けることによって強くなる。そういう世界観です。
その点、一時期はやった総合格闘技はまさに新自由主義的な勝ち組負け組の二元論的世界。ここのところ一気に衰退してプロレス世界に呑み込まれていきましたが、これは当然であり、また喜ばしいことです。昨日、藤原さんともそういう話をしました。
「宮内庁にも宮様にもプロレスファンがいる」という柴田さん情報も嬉しいですねえ。やはり、その本質である「まつりごと」を理解されている方が多いのでしょう。素晴らしい。
ちなみに、私の「まつりごと」論はこちらに詳しくあります。「神を敬い慰撫・鎮魂し、祈願感謝すること、言霊を操り、神を鎮め、民を平穏に導く」「正邪善悪のバランスを取る」ということですね。
その記事には、民主党による消費増税案と自殺者の増加について書いてあります。はたしてその流れをくむ来春の消費増税の結果はいかに。安倍内閣による「まつりごと」の成果が問われることになりますね。
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コメント
初めまして!
いろいろ検索しているうちに、たどり着きました。
私も長年のプロレスファンです(^O^)
柴田さんのブログは、リング上の事だけではなく
様々な側面からプロレスを多角的にとらえていて、面白いですよね♪
しかし、皇居内で「東スポの柴田さんですか?」と
声をかけられるなんて凄いですよね~。さすが。
貴ブログの、プロレスに対する記述も、うんうんと頷きながら拝読しました。
機会があればいつか、観戦やプロレス飲み会に、ご一緒したいです(*^_^*)
投稿: ちび丸 | 2013.12.11 07:07