『世界震源地図』 (東京大学地震研究所)
職場の同僚が買ってきてくれました。さっそく地図を広げながらしばし話しました。
自然科学的な見地でこの地図を語れるのはもちろんとして、社会科学的な資料としても大いに語れますね。
すなわち、政治や経済、そして歴史や宗教をこの地図上で語るのです。
この地図は、1977年1月から2011年3月までの「Global CMT Catalogue」のデータに基づき、世界地図にM5以上の地震の震源をプロットしたものです。
同じ地図の立体版(ペンタグローブ…正十二面体)も買ってきてくれましたので、さっそく組み立ててみました。
眺めていると本当にいろいろなことが分かってきますし、感じられますね。もちろん、日本がとんでもない世界一の地震国であることが一番最初に分かりますよ。
震源地は基本的にプレートの沈み込むところです。そこは非常にダイナミックな地球の運動点であるとも言えます。実は私たち人間の生活というのは、地球という生き物のダイナミズムの上にあるんですよね。
以前、「メタンハイドレートは救世主か悪魔か」という記事を書きました。そこにも実は震源地図が出ています。そう、次世代埋蔵資源の一つであるメタンハイドレートの分布地図と比較しました。
20世紀は石油の世紀であり、戦争の世紀でした。もともと戦争というのは食料の奪い合いから始まりました。つまり、エネルギーの奪い合いです。
そう、20世紀は石油の奪い合いの世紀だったわけです。たとえばそういう視点をもってすれば、ウランを原料とする原子力発電が、ある面では戦争の抑止力として働いたことがわかります(今でも働いています)。なぜなら、ウランの埋蔵分布は原油のそれとはずいぶん違うからです。
さらに、次世代資源であるシェールガスやメタンハイドレートもまた、それぞれ他の資源とは違った分布をしています。ネットで調べてみてください。
そうして、それぞれの土地(国)に豊富な資源を使ってエネルギー問題にとりかかることは、国際紛争を軽減する有効な手段になるでしょう。
こうした本物のグローバルな(地球地理的・地球史的)視点というのは大切ですね。なんでも原発反対とか、そういう現代人の視野狭窄の原因は我々教員にあるのではないかという話になりました。
世の中を見る方法、そして自らの人生設計をする方法として、こうしたグローバルな視点とローカルな視点のバランスをとるということは非常に重要だと思います。
私は以前から日本は地熱発電と蓄電で行け!と言っています。たとえば、4年ほど前に書いた地熱発電とEDLCという記事ですね。これなんかも、当然グローバル&ローカルな発想です。
さらに私は、そのグローバルとローカルを結びつける手段として、よく「雛型理論」を使います。相似、フラクタルですね。個人を社会に投影したり、その逆をしたり、時間軸での投影を試みたりします。そうすると見えてくる真実というのがある。
先ほど述べた、個人レベルでの食べ物の奪い合いが国家の戦争に拡大されるのもその例ですよね。
また、未来を予測するのにも、そうした投影法は有効です。
その他いろいろなことを話しましたが、たとえばこうした地図をもとに、理科だけでなく社会の授業をやってもいいですね。あるいは英語や国語や数学も可能かもしれない。
そういう有機的な授業、教育というものをもっと学校ではやっていかなければならないかもしれません。
自然災害と宗教との関係も面白そうだなあ。私はまずそこから考察してみます。
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