アルビノーニ 『オーボエ協奏曲ニ短調作品9の2』 (ホリガー、イ・ムジチ)
先日紹介した「アルビノーニのラルゴ」、中学校の弦楽合奏部で練習をしておりますが、いやあ、いい曲ですね。
和声を担当するパートもよくできている。特に絶妙な不協和音がいいなあ…ある部分なんか、ビートルズのレット・イット・ビーで使われている(ポールがピアノでミスタッチした?)美しい不協和音とそっくりです。
その他、「胸キュン進行」のオンパレード(笑)。「艶歌」大好きな私にはたまりませんな。
レット・イット・ビーと言えば、あの冒頭のコード進行、簡単に記せば、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅳという展開ですけれど、意外にもあのようなコード進行のクラシックの曲はあまりありません(たぶん)。
で、私が唯一知っているのは、これまたアルビノーニです。かの有名なアダージョ…と言っても、あの「アルビノーニのアダージョ」と称するジャゾットの曲ではありません。
アルビノーニの代表作である協奏曲集作品9の中でも、最も有名な第2番のオーボエ協奏曲ニ短調の第2楽章です。
バロック名曲集などによく取られていますから、ご存知の方も多いのでは。
私も、それこそ中二の頃、バロックに目覚めた頃ですね、この曲を死ぬほど聴きました。もちろん、ハインツ・ホリガーとイ・ムジチの演奏ですよ。あの究極の名盤。
あのレコードは私にとっての原体験です。ヴァイオリンに関しては、フェリックス・アーヨに憧れましたし、オーボエの音もホリガーのものが普通だと思っていました。
今になってみると、二人ともちょっと特別な音作りをしていますよね。普通じゃない。どちらかと言うと細めで透き通った音です。
この二人の音は、今でも大好きですから、やっぱり原初体験というか初恋というのは生涯忘れられないものなのですね(笑)。
さてさて、高校生だった私、とにかくこのアルビノーニの「アダージョ」が大好きすぎてですね、ヴァイオリンの発表会か何かで弾こうと思い、静岡から東京銀座のヤマハまで行って楽譜を買ったのです。
で、買ってみて、弾いてみてビックリ!
なぜなら、私が聴いていた旋律と楽譜が全く違ったからです。
そう、私がアルビノーニのメロディーだと思って聴いていたのは、ホリガーによる即興(編曲)だったわけです。
ある意味ショックでしたね。そして、ますますバロック音楽に傾倒することになります。そうか!バロックは楽譜通り弾かなくていいんだ!作曲の才能も活かせるんだ(当時は自分に作曲の才能があると思っていた…苦笑)。
というわけで、あれから30年以上経ってしまいましたが、今でもこの録音は最高に大好きです。
ただ、レコードを聴く機会もほとんどなくなっしまい、実際には耳にすることがなかったのですが、まあ現代は便利な時代ですね、今年ようやくYouTubeにアップされましたので、久々にじっくり聴きました。
いやはや、素晴らしいですね。ホリガーはすごい。すごい音楽性です。そして、あらためてイ・ムジチの演奏力、合奏力のすごさに驚嘆。録音もいい。
さあ、皆さんもぜひお聴きください。懐かしいなあという方もいらっしゃるでしょうし、初めてお聴きになって感動するか方もいらっしゃるでしょう。
2楽章だけでなく、1,3楽章も素晴らしい曲であり、演奏です。
せっかくですから、私の音楽人生を決定づけた30年前の驚きを分かっていただくたために、2楽章アダージョの楽譜もアップします。今、このために切り貼りしました。
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