アルビノーニのラルゴ(作品2より)
文化祭が終わり、我が中学の弦楽合奏部は新たなるステージへ向けて練習が始まりました。
とりあえずクリスマスに向けて何かやろうということになりまして(仏教校ですが)、2,3年生にはこの曲を与えました。
作品2のソナタ2番の1楽章。ラルゴ。クリスマスにふさわしい聖なる響きです。ほとんど知られていない隠れた名曲です。
アルビノーニと言えば「アルビノーニのアダージョ」が有名ですが、あれは実はアルビノーニでもなんでもなく、現代の作曲家ジャゾットの完全なるオリジナルです。というか、あれはどう聴いてもバロックではありませよね。あの時代、ああいう似非バロックが流行りました。
こちらは正真正銘のアルビノーニの「ラルゴ」です。たしかにアルビノーニの緩徐楽章はどれも美しいですよね。日本人好みの叙情性があります。
生徒はもちろん初めて聴く曲です。ほとんど自分の趣味ですね。私、アルビノーニ大好きですから。しかし、なかなか演奏する機会はありません。
特にこの作品2なんか、ほとんど日本では演奏されないのではないでしょうか。
ソナタ(シンフォニア)とコンチェルト集と題されたこの作品2は、ある意味、アルビノーニらしさが満載の素晴らしい曲集です。
まず、5声のための合奏曲集であるというところがよい。原譜では、ヴァイオリン2本に、アルト・ヴィオラとテナー・ヴィオラ、そして通奏低音という編成になっています。
中期バロックによくある、中声部の充実した響き。これがいいんですよねえ。
非常に美しい和声に満ちているとともに、アルビノーニらしい対位法も聴けます。アルビノーニのフーガ楽章はシンプルでキャッチー。完璧に私好みです。
ま、つまらぬ説明はいいとして、とにかくお聴きください。キアラ・バンキーニたちによる名演です。
自分もいつか古楽器で弾きたいなあ…。
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