担板漢にはなりたくない。
ずいぶん前、新婚の頃でしょうかね、カミさんと一日中バカな言葉遊びをしたことがあります。
「◯ん◯ん◯ん」という言葉の挙げっこです(笑)。
たとえば、アンバンマンとか安心感とか新幹線とか三分間とか晩餐館とか万景峰とか板門店とか天津丼とか担々麺とか…。
くだらないけれども非常に面白くエキサイトしました。これって、たとえばネットで検索して見つけるのが難しい、というか、ほとんど無理じゃないですか。今どき、こういう人間ならではの記憶の引き出しゲームってなかなかないんですよね。
で、その時は、何時間もそんなことをやりあって、何十もの語彙が出されて、お互いネタ切れになってきたところで私が、「妊娠線!」と言ってギブアップ勝ちした記憶があるんですが、今になるともっといろんな言葉が出てきます。
その当時知らなかった言葉を新たに覚えたというのもありますね。その一つが「担板漢」です。
「たんぱんかん」あるいは「たんはんかん」または「たんばんかん」。ご存知ですか?
私は禅語としてこの言葉を覚えました。何の本に出ていたか忘れましたけれども。
「担板漢」、その字のごとく「板を担いでいる男」という意味です。
板を担いでいる人間には、板の片面しか見えませんよね。さらには板に遮られて向こう側の風景も見えません。つまり、「担板漢」とは、物事の一面しか見えていない状態のことを言うのです。視野が狭く、自分の考えにこだわってしまう人。
たとえば昨日の「山本太郎問題」にしても、ほとんどの人は、担いだ板の「山本太郎のふるまい」という側面しか見えなくなっていて、その裏側にある天皇陛下のふるまいについては、ほとんど誰もが言及しなくなっていました。
私は、人に「アマノジャク」とよく言われます。自分でもそうだと思います(笑)。
それは実は意図的にそうしているということもできます。つまり、人が言っていることの裏側をあえて見てみるということですね。すると、案外モノの本質が見えてくることがある。
なんとなく皆さんもお分かりになるでしょう。
こんなことは大人にとっては当たり前でしょうけれども、私は、物事を見て判断する時に、「一」からスタートして「二」、そして「三」…そして最低「六」まで行ってみることにしています。
すなわち、一つの考えや感情が湧いた時は、それをすぐに表明するのではなく、まずその裏側、反対意見、矛盾点に立ってみることをします。違う言い方をすると、とりあえず「二元論」で世界を見てみるということです。
そして、次は二元論を超える視点を探してみるんですね。盲点を見つけるのです。それこそアマノジャクと言われるゆえんかもしれませんが、実はそれが案外楽しいんですよ。
板を担いだ時は、とりあえずちょっとその板を持ち替えてみて、裏側はどうなってるのか見てみる。さらに、その板にも厚さがあるでしょうから、その細い狭い側面も見てみる。
そうすると、お分かりになりますよね、四角い板には、最低でも六つの側面があるのです。そして、さらにその向こう側の空間まで含めると、ほとんど無限の風景が広がってくるのです。
そういうイメージで立体的に世の中の事象を見ると、本当にたくさんの発見がありますし、世の中の多様性に感激しますし、また二元論的な対立を避けることができます。
ぜひ、皆さんも何かを考える時、板を担いでいる(担ぎ直している)自分をイメージしてみてはいかがでしょうか。
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