『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』 カーマイン・ガロ著 井口耕二訳 (日経BP社)
人生・仕事・世界を変える7つの法則
以前紹介した『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の姉妹編。相互補完関係にあると言っていい本。
今日は生徒の勉強合宿の合間に、若手教員とのミーティング。そこでスティーブ・ジョブズの話をしました。
「タスクやミッションだけではなくビジョンを共有しよう」
学校とメーカーとは似ている部分もありますが、当然根本的に違う部分も多い。しかし、ビジョンを持つということは、どんな職業であれ大切なことです。
ちょうどそのミーティングが始まる時でした。私も関わらせていただいている、ある国際的ビジョンが具現化するという連絡をいただきました。近くニュースにもなることでしょう。
志や能力のある方々とビジョンを共有すれば、個人レベルでは夢物語にすぎない大事業も、一瞬で現実のものになるのだなと実感する瞬間でした。
誰でもイノベーターになれると、ジョブズは言います。
日常生活においても本来はそうであるはずです。この本に「いつもどおりは不幸を招くレシピ」というカーティス・カールソンの言葉が引用されていましたが、全くそうです。
しかし我々はどういうわけか、日々、不幸を招くレシピを選びたがる。夢の実現に向けて人生を歩む人は3%しかいないと言います。それはなぜなのでしょうか。
おそらくジョブズの言うとおり、イノベーションには大変な情熱と忍耐力が必要だからなのでしょう。
私は「世界改造業者」を標榜した出口王仁三郎の人生に触れているので、日常どころか地球レベルでのイノベーションを夢想することに全く抵抗がない人間で、その他97%の人にはずいぶん呆れられますが(笑)、それでも懲りずに中二病を治そうとしません。
いつかも書いたように、中二の頃には100%の人が中二病なので、みんながライバルですけれども、中二病歴35年にもなると、それこそ97%(もっとかも)のライバルたちが諦めて脱落していくので、馬鹿みたいな夢の実現者になれる確率が高まるのです。
ミケランジェロのこの言葉が引用されていました。
「目標が高すぎて届かないことよりも、目標が低すぎて簡単に届いてしまうことのほうが、普通、害が大きい」
なるほどですね。私もそう思います。
ジョブズはこう語ります。
「自分の心や直感に従う勇気を持とう。本当はどういう人になりたいのか、意外なほど分かっているものなんだ」
諦めるというのは小賢しくなることです。楽をしようといこともありますが、社会の常識とやらに毒されてしまうという部分もある。
社会の常識や個人の知識なるものは、実は全て過去の産物です。
私は「時間は未来から過去へと流れている」と考えていますから、流れ去っていってしまった過去にはあまり興味はありません。過去はせいぜい参考資料であって、自分の思想行動を決定する直接的な要因ではありません。
ジョブズは「地平線の向こう側を見る」という言い方をしますが、それはつまり未来志向ということでしょう。川の上流を遠望するということなのでしょう。
それも悲観ではなくて楽観。
また、ジョブズは有名なホッケー選手の言葉を引用しています。
「パックがあった場所ではなく、パックが行く先へ滑るようにしている」
そう、その通り。私たちの現在の行動の原因は未来にあるのです。未来のビジョン、イメージ。ワタクシに即して言うとハッタリと妄想(笑)。
ジョブズと私の共通点があるとすれば、「禅」に親しんでいることでしょうかね。禅で言うところの「私」を捨てるということは、まさに過去と現在から解放されるということです。
ジョブズには遠く及ばなくとも、少しは宇宙にインパクトを与えたいなあ…せめて、我が身の近くの小宇宙にでも…いや、中宇宙くらいは行けそうな気がするぞ(笑)。
Amazon スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション
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