モルゴーア・クァルテットによる「プログレ」
今日は朝からぶったまげました。NHKBSの「クラシック倶楽部」、いきなり司会がピーター・バラカン。土曜の朝じゃないぞ(笑)。
そして、かっこ良すぎ。
プログラムは次の通り。う〜ん、やられたなあ。
モルゴーア・クァルテット~プログレッシブ・ロックに挑む~
「21世紀のスキッツォイドマン」
(作曲)キング・クリムゾン (編曲)荒井英治
「月影の騎士」
(作曲)ジェネシス (編曲)荒井英治
「弦楽四重奏曲第7番作品108」
(作曲)ショスタコーヴィチ
「悪の教典#9第一印象パート1」
(作曲)エマーソン・レイク&パーマー (編曲)荒井英治
「暗黒」
(作曲)キング・クリムゾン (編曲)荒井英治
第1ヴァイオリンで編曲者でもある荒井英治さんは東京フィルハーモニー交響楽団のソロ・コンサートマスター。ロック大好き男。
第2ヴァイオリンの戸澤哲夫さんは東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスター。
ヴィオラの小野富士さんはNHK交響楽団の次席ヴィオラ奏者。
チェロの藤森亮一さんはNHK交響楽団首席チェロ奏者。
うまいのは当然ですね(しかし、実際にはロックということで許されるであろう音程の不正確さなどはありましたが)。
ヴァイオリン族の楽器がロックに関わるということで言えば、私の音楽体験のベースにあるELOやカンサス、メタリカとそれをチェロで弾いちゃうアポカリプティカ、ビートルズの完コピ古楽合奏団Les Boreadesなどを聴いて来ました。
そして、自分自身もエレクトリック・ヴァイオリンを振り回してロック(もどき)をやってきたし、それこそ「プログレッシヴ・バロック」という合奏団を組織していたという経験もあります。
しかし、さすがにモルゴーア・クァルテット並みのチャレンジは初めて観た、いや聴いたなあ。この完成度は完全にクラシックの系譜上にある。ショスタコーヴィチとなんら変わりませんでした。いや、ショスタコが二流のプログレという感じ(失礼)。
もともとプログレッシヴ・ロックは、大衆音楽であったロックが芸術性に挑戦したものでした。当然そこにはクラシックの技法が積極的に取り入れられました。
それが、時代を経て、こうした逆流現象を起こしている。これは実に面白いですね。そして、自然でもあります。
だいたいが、いつも言っているように、ヴァイオリン族なんてのは実に野蛮な、ロックな楽器だったわけです。
だから、放送の冒頭から四人の奏者の弓の毛がぶっちぎれているを見て、ああ、これこそヴァイオリン族のあるべき姿だと思ってしまいました(笑)。
荒井さんのプログレラヴぶりには感動ですね。それが編曲や演奏からガンガン伝わってくる。他の奏者たちも、すっかり荒井さんによってプログレに開眼させられちゃってる。いいことです。
それにしても、やっぱり当時のプログレの皆さんって、すごい作曲センスと演奏技術を持っていましたね。
本当にいろいろ意味で久しぶりにドキドキさせられた音楽番組でした。プログレの魂はまだ生きてるなと。
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