中二病と神〜「空想少女への恋手紙」
今日から「デジタルコンテンツEXPO 2013」が始まりました。
そこで人気なのが、初音ミクと握手できるという「Miku Miku Akushu」です。
大の大人が、自らの妄想を実現するために、超最先端の技術を駆使している様子、あるいは、それを体験して心から感動している様子は、これはこれで素晴らしく日本的な光景であると思います。
すなわち「中二病」は日本のイノベーションの源泉なのであります。
いやあ、つくづく自分も中二病だと思いますよ。そしてそれを誇りに思います(笑)。
中二病の治癒を拒んできたおかげで、世界を動かすまでになりました…って、かなり重症ですよね(笑)。ま、本当だから仕方ありません。
その病気の基本には妄想力があります。妄想力とは未来に対する創造力です。過去や現在、あるいはお金や物質に対する興味や執着がない代わりに、こういう世の中にしたいという未来への興味や執着は人一倍あるのです。
自分に未来に対する妄想は、あえて言うなら、そういう理想の世の中を創ることに貢献している自分像ということになりましょうか。
未来は目に見えない、そしていくらでも変えられるモノです(過去は変えられないコト)です。それに執着するということは、当然、非現実的なモノ、たとえば「霊」や「神」の世界も普通に信じることになります。
近代はそうしたモノを排除してきました。本来人類はモノ世界をコト世界よりも上位に置いて生活したきたはずなのに。
特に日本人はつい最近まで(おそらく戦中まで)モノを上位に置く生活をしてきたと思います。また、その傾向が強い民族であったと思います。
今日は、そんな日本が得意としている「中二病」について、リアルな考察してみました。というのは、中二の娘がまさに中二病真っ盛りでして、その言動が面白すぎるというか興味深すぎまして(笑)。
たとえばテスト勉強のやる気を出すために、自分の好きな二次元キャラを妄想して、「頑張れ!」と言わせるとか、妄想世界のキャラが実在しているのではないかと探してしまったり、あるいは街で突然出会ってしまうのではないかとドキドキしたり(笑)。
しかし、これは笑えませんよね。私も昔はそうでしたし、今でも、ちょっとジャンルは違いますが、亡くなってこの世にいないはずの出口王仁三郎や仲小路彰の「声」を聞こうとしたりしてますからね。
で、実際、私もそれで自分の人生を動かしているところがあったりする。全然娘を笑えません。
あと、娘の話で面白かったのは、たとえば「ガチで二次元に恋した時にありがちな事」にあるように「恋したキャラが見ているような気がしてゴミを拾ってしまう」というようなことがあるという話。
つまり、いい人になっちゃうわけですね。これって「お天道さまが見てる」っていう日本の古典的な行動規範じゃないですか。お天道さまとは、すなわち「神」と言っていいでしょう。
オタク文化の中では「神」とか「ネ申」という表現がよく出てきます。これもまた、オタク文化や中二病がある種の宗教性を帯びている、いや、もともと日本の宗教性というのは、そういう種類のモノであるということかもしれません。
西洋キリスト教文化のような、はっきりとした「コト」で固められた世界とは違う感覚です。
そう考えると、私たち日本人の大人たちも、自らの中二病を封じ込めるのではなく、もっともっと解放していいのかもしれません。
もちろん、あんまり重篤になって現実世界での適応力を失ってしまってはいけないと思いますが。
ということで、最後に昨日娘が聴きながら泣いていたミクの曲を紹介します。
なになに、どれどれ、と私も歌詞を見ながら聴いてみたところ…泣いてしまいました(笑)。
胸キュン進行満載ですね。というか、この歌詞世界こそ「もののあはれ(不随意への詠嘆)」ですよ。
これで泣ける大人は立派な中二病なのでしょう。皆さんもぜひ試してみてください。
「空想少女への恋手紙」
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