『新約 出口王仁三郎の霊界からの警告』 武田崇元 (学研パブリッシング)
昨日、中二病の話を書きましたね。私の中二病の原点は武田崇元さんにあるかもしれません(笑)。ムーとか八幡書店とか。
特に八幡書店さんにはお世話になりましたし、今でもお世話になっています。富士古文献(宮下文書)のこともありますし。
八幡書店の社主である武田崇元さん、まあ内外からの毀誉褒貶の激しい方ではありますが、1980年代からの第二次オカルトブーム(第一次は戦中まで)の立役者として非常に重要な人物であることはたしかです。
オカルトというと眉をひそめられる方が多いでしょう。しかし、それはある意味では「戦後レジーム」からの脱却の一つの方法であったとも言えます。
戦中までのいわゆる「心霊ブーム」は当時の日本の政治、軍事、経済、文化、そしてもちろん宗教にも多大な影響を与えています。いや、影響ではなく、それらの本体であったとも言えます。
もちろんそれは、西洋の帝国主義、あるいは国際金融資本などに対抗する純日本的な霊的世界という、ある種のフィクション(カタリゴト)として機能していた部分もあります。
ただ、やはりフィクションとしては片付けられないモノがあるのも事実であり、私はそこにどうしても反応してしまうのです。これはもう理屈(コトワリ)ではありません。
どうも日本人としての自分の遺伝子に、そういう中二病の病巣があるようなんですね。
年をとったら、きっとそういうモノに反応しなくなるのだろうと思っていました。私の父親なんか完全なる唯物論者なので、いまだに私のこういう言動に批判的ですしね。いちおう子どもの頃から、大人の男というのはそういうものなのだろうと思っていましたから。
しかし、どうも私は死ぬまで「霊(モノ)的世界」と付き合っていかなければならないような予感がするんですよね。いや、予感じゃなくて確信だな、これは。
教育者がそんなことでいいのかと、それこそ戦後レジームに慣らされた大人から批判を受けそうですが、教育こそ、「イキモノ」相手の仕事であり、市場経済の外にあるべきモノであります。霊的人間でないと教育はできないとまで思っています(もちろん、幽霊が見えるとか、そういう次元ではありませんよ)。
というわけで、久しぶりに(1983年の初版以来ですから30年ぶりに)再登場した武田崇元さんの「出口王仁三郎の霊界からの警告」、これは戦後のそうしたモノ世界の集大成として、素晴らしい力作になっています。
こういう世界に初めて踏み入る方にはちょっと難しい、それこそアブナイ内容かもしれませんが、たとえば30年前にはそういう世界に親しみ、今は立派な大人になってしまった方などには、非常に懐かしく刺激的で、そしてとても新しい「今」的な作品になっているのではないでしょうか。
オカルトブームの最前線を戦ってきた武田さんならではの、豊富な知識と思索、そして直観が満載。さらに不思議なほどに日本文学の香りが漂う文体で、ぐんぐん私たちを「モノガタリ世界」に引き込んでいきます。筆力あるわ。
私個人としても、ここ1年ほど出口王仁三郎が発動しまくっているのを感じています。もしかすると、(その表現がいいか悪いか別として)第三次オカルトブームがやってくるのかもしれません。
それは「モノ」の復権です。近代西洋的な「コト」世界に対して、幽閉されていた「モノ(霊・神・魂・鬼)」の反撃が始まる…中二病すぎますな(苦笑)。
いや、冗談ではないのです。歴史はそうして動いてきました。モノとコトのせめぎ合い。
出口王仁三郎は「霊主体従」あるいは「霊五体五」を標榜しました。「霊」はモノ、「体」はコトです。近代日本は「体主霊従」の世の中になってしまいました。
私は今、「霊」だけではなく、それを体現することを実行しています。ただ思っていたり、願っていたり、祈っていたり、研究したりだけではダメなんです。形に表さないと。
以前の私はある意味「霊」に偏っていました。しかし、今年2月、仲小路彰に出会ってから、「体現」の具体的方法を学びました。
私にとっては、出口王仁三郎と仲小路彰は一直線上に並んでいます。まさに二人の「霊界からの警告」が聞こえてきています。
そんな霊的(中二病的)世界に興味のある方は、ぜひこの武田崇元さんの本をお読みください。あなたの人生そのものの目的が変わるかもしれませんよ。
Amazon 新約 出口王仁三郎の霊界からの警告
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