祭の賑わい
昨日の続きとなります。
オリンピックは地球規模での「祭」です。
最近私がよく言っているように、「荒魂(あらみたま)」を定期的に召喚することによって「和魂(にきみたま)」を再生、再構成、安定化するというのが「祭」の本質です。
スポーツというのは、それ自体は「戦い」であり、「荒魂」です。しかし、その戦い、勝敗を超えたところに、感動や友情や平和が訪れるというのは、皆さんも体験的によくご存知でしょう。
「スポーツ」という語は、古フランス語のdesport(気晴らしをする)を語源としています。そして、desportはラテン語のdeportareから派生したと考えられています。
deportareとは「ある物を別の場所に運び去る」という意味です。「port」に「de」が付いているわけですね。何を「運び去る」のかというと、「日常」です。
つまり、スポーツ自体が「非日常」であり、「ハレ」であって「祭」であるということですね。
その「運び去る」力こそが、「荒魂」です。「荒魂」はエネルギーの発散、衝突です。
今日ちょうど新潟県小千谷市の知り合いから「片貝まつり」第一日目の報告を受けました。そう、おにいちゃんのハナビの舞台となったお祭りですね。
あの祭では、もちろん「花火」が「荒魂」の象徴になっています。花火玉に籠められたエネルギーの爆発です。
そして、もう一つ、二日目に行われる「成人戦」という「戦い」。詳しくはまた報告をいただいてから紹介しますが、新成人を大人たちが通せんぼする、すなわち大人になるための「荒魂」による通過儀礼があるのだそうです。これは非常に興味深いですね。日本人古来の知恵がそこにあるように感じます。
そして、その報告メールの中に「賑やかし」という言葉がありました。一般的に言えば「囃し」ということでしょうか。
この言葉を見た時にピンとひらめきました。なるほどと。
皆さん、賑やか、賑わうという言葉の語源をご存知でしょうか。
「にぎわう」は古くは「にきはふ」でした。そう、「にぎわう」の「にぎ」は「和魂」の「にぎ」なのです。
日本語の「にぎ(にき)」は、栄える、穏やか、きめこまかい、調和するといった語感を持っています。平和的に発展するという感じですね。
「にきはふ」の「はふ」は「延ふ」、すなわち「一面に伸びる」という意味です。現代語では「はびこる」にそのニュアンスが残っています。「幸い(さいわい)」は「幸(さき)」が「一面に伸びる」という意味ですし、「災い(わざわい)」は「業(わざ)」が「一面に伸びる」という意味です。
「にぎやか」の「やか」は形容動詞を作る語尾であり、「にぎやかし」は「にぎやかす」という動詞の連用形が名詞化したものですから、「賑やかし」の本質は、「栄えさせる」「調和させる」ということになります。
その「賑やかし」の手段が、歌であり舞であり楽器であり踊りであるというわけですね。
そう、一見「にぎやかし」や「はやし」は、「荒魂」のエネルギーを増幅する機能を持っているように感じられますが、実は単純にそういうことではなく、「荒魂」の暴発を防ぐ役割があるのです。
つまり、歌や舞によって「荒魂」を慰撫鎮魂するわけです。その結果、まさに「にぎ(和)」が「はやされる(生やされる)」ことになる。
そして、神と人の共同作業によって非日常が演出されて、結果として日常に平和が到来するのです。
2020年の東京オリンピックは、ぜひ、日本のこうした「祭」の本質が地球全体に発信される機会となることを祈ります。いや、そうしなければなりません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、東京と富士山を中心とする「日本」が地球の次元上昇のお役目を担っているのです。そのための7年間。私たちにとって本当に重要な時間であることがお分かりになるでしょう。
「祭の賑わい」…それを作り出すためには、私たち人間が一方の主役とならなければならないのです。
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