『日本語からたどる文化』 大橋理枝/ダニエル・ロング (放送大学テキスト)
先週まで再放送されていまして、毎回ワクワクしながら勉強させていただきました。あんまり面白かったからテキストを買ってしまいました。
先日、「国語学の基礎」を紹介しましたら、けっこう興味を持ってくださった方がいらっしゃいました。
私たちがあまりに無意識的に使っている「日本語」について、あえて意識化してみると非常に面白い発見があるものです。
何か面白いことないかな…と思っている方には最高のネタなんですよね。なにしろ、自分がサンプルですから。もちろん周辺の他者もサンプルです。
大橋さんはコミュニケーション学、ロングさんは社会言語学がご専門。いったいどんな講義が展開されているのかというと…こちらをご覧ください。「時間」の回です。
日本語と時間…私の最近のテーマそのものですよね。「時間は未来から過去へと流れている」という感じ方にも触れられています(ちょっとだけで、基本は過去から未来という流れで話が進んでいますが)。
全ての回のテーマを列挙しておきましょう。
第1回 「日本語文化論」ことはじめ
第2回 名前
第3回 地名
第4回 食物
第5回 空間
第6回 身体
第7回 服装
第8回 時間
第9回 物品
第10回 タブーと婉曲表現
第11回 人間関係
第12回 言語接触
第13回 アイデンティティ
第14回 言語習得
第15回 変化するコミュニケーション文化
どうです?面白そうでしょう。詳しくは放送大学のシラバスでご確認ください。
それぞれのテーマについて「自己発見」の連続です。何気なく話していたこと、やっていたことの意味が分かってくる。分かってくると分けられる。すなわち分類されていきます。まさに学問の楽しみですよね、「コト化(意識化)」は。
そして、そのコトどもを再び無意識のモノに還元すると、私たちの生活は豊かになっていくのです。久しぶりに私もそういう意味で学問した気がしました。
学生時代のワクワク感ってこういうふうだったよなあ…。
私たち日本人は、大学で初めて「学問」の楽しさ、面白さに触れるんですよね。小中高にはほとんどワクワク感がない。自分の授業もそうなんですよ。もっと楽しくしたいんですけど、違う意味で楽しくしちゃってる(笑)。いかんな。
というわけで、実は今の日本のテレビ番組で一番面白いのは「放送大学」なのでありました。BS(231など)で見られるようになりましたからね。皆さんもぜひ一度どうぞ。
Amazon 日本語からたどる文化
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