探検バクモン「"性"をめぐる大冒険 完結編」 (NHK)
6月に放送されて物議をかもしたバクモンのLGBT特集。再放送を中二の娘と一緒に観ました。
ウチはあらゆる面でボーダーレスな家なので、お年頃の娘と父親がこういう番組を並んで観ていても大丈夫。それも父親はオヤジシャツにブリーフというあられもない姿(笑)。
そうそう、先に書いておきます。この番組の再々放送が金曜深夜にあります。御覧になってない方はぜひ…9月28日(土)午前1:15~<総合>(金曜深夜)再放送予定。
爆笑問題が新宿二丁目を舞台にLGBTの本音と文化に迫る2回シリーズの完結篇。LGBTってお分かりになりますか?
L…レズビアン
G…ゲイ
B…バイ・セクシャル
T…トランス・ジェンダー
つまり、性の世界でのマイノリティです。現在、世界基準ではこうしたマイノリティの人権や文化が大いに認められつつありますが、日本ではまだまだ差別的な目で見られることが多い。
私は、仕事柄、そして音楽を趣味にしているからでしょうかね、比較的LGBTの友人や知り合いが多くいます。
そういう中で自然に生活してきた…というより、そういう方々がいわゆるマジョリティよりも不思議な魅力を持っている場合が多かったからでしょうか、正直言うと違った意味での、つまりプラスの意味でのボーダーを自分と彼ら彼女らの間に感じてきたのです。
それもまたある種の差別ではないかと言われかねませんが、お分かりになる方にはお分かりになるでしょう。そんな次元で私は言っているのではありません。
だいたいが、マイノリティだマジョリティだというのは、多数決の論理、あるいは民主主義の論理であって、非常に近代的な感覚なのです。
民主主義は多数決の論理ではない、少数意見を尊重する主義だと言う人もたくさんいますが、少数という言葉を使っている時点で、数の論理の上に成り立っている主義であることを証明してしまっていますね。
私は近代よりも古い人類の知恵に興味がある人間なので、現代日本の「遅れた」文化や社会習慣を、西洋的な発想で、すなわち今の欧米の文化をそのまま輸入して「進化」させていくことにはあまり賛成できません。
そういう意味ではLGBTという呼称にもちょっと違和感があります。また、もしマイノリティと言うとするにしても、「性」の分野だけがこうしてクローズアップされていくことにも少し抵抗があります。
古来の日本には「異なるモノ」に対して「聖性」を感じ取る独特な感性がありました。一つ一つについてはここでは挙げませんけれども、その象徴が天皇であったりした時代もけっこうあります(今でもそうかもしれません)。
数の論理ではなく、また西洋近代的な価値基準でもない、問題解決のための知恵があるような気がしてなりません。
マジョリティも所詮マイノリティの集合体にすぎませんし。どんどん微視的になれば、どれもが孤立した個であって、さらに微視的になっていくと、いつのまにか素粒子という非常に単純な共通項になっていってしまうというパラドックスも生じます。
微視が巨視になってしまうという矛盾こそが、「コト」を窮めて「モノ」に至り、その先には「マコト」があるという宇宙の本質なのです。
なんて、とんでもなく微視的(巨視的)な話になってしまいましたね(笑)。
いずれにせよ、この思い切った番組には、不思議な「聖性」が感じられたのは事実です。はたして皆さんは何を感じるのか。自分を測る試金石として金曜深夜の再放送をご覧になることをおススメします。
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