F.クープラン 『葦』
アトラス・チェンバロが我が家にやってきまして、朝から晩まで弾きまくっております。
昭和49年製ということで、ウチのカミさんと同い年です(笑)。ジャックが丸々一本なくなっている以外は大変状態がよく、半日かけて調整しましたら、なかなか素晴らしい音を響かせてくれるようになりました。
手に入らないと思ったジャックも、ウチの歌謡曲バンドのサックス&ベース奏者でもある「飯塚楽器工房」主人が譲ってくれるということで、完全復活の日も近いですね。それにしてもまさか身近な人がほとんど唯一の部品所有者だとは…世間は狭いですなあ。
普段鍵盤楽器をほとんど弾くことのない私が、異様なほどに入れ込んでいるので、家族は驚いております(笑)。
不思議なもので、下手くそすぎる私の演奏なのに、子どもたちは「もっと弾いて」とせがみます。というか、音量的にも、また音色的にも心地よいBGMとなるようで、テレビがついていようが、パソコンからボカロが流れていようが、「うるさいからやめて!」とは言われません。ピアノじゃそういうわけにはいきませんよね。
特に面白いのは、バッハのゴルトベルク変奏曲を練習している時です(もちろんまだアリアだけ)。家族も猫もみんな寝ちゃいます(笑)。さすが不眠症のための音楽。あまりに効果絶大で驚きます。これもピアノではこうはいかない。
さてさて、ほかに何を練習しているかといいますと、クープランですね。大好きなフランスものをこうして自分で弾ける日が来るとは…(涙)。
とりあえず楽譜を入手して始めたのは第13組曲。まだ冒頭の2曲しか手をつけていませんが。
特に「葦」は私の大好きな曲です。初めて聴いたのはフォルテピアノの演奏でした。ラジオで聴いたのですが、あれって誰の演奏だったのだろう。もう今から30年くらい前の話なんですが。夢かなあ(笑)。
その後、クラヴサンではユゲット・ドレフュスのCDを買った記憶があります。CD出始めの頃。DENONのPCM録音シリーズでしたね。
そして30年して自分で弾く「葦」。たどたどしい「葦」ですが、なんとも言えない感動があります。
実際楽譜を前にして鍵盤を押して弦を弾くと、不思議ですねえ、今まで感じることのできなかった、知らなかったクープランがそこに「いる」のです。なんともぜいたくな追体験ということになりますね。
さて、今日はそんなクープランの13組曲を、皆さんにも聴いていただこうと思います。若くして亡くなった伝説のクラヴサン奏者、スコット・ロスの演奏です。
思えば、スコット・ロスと縁の深かったクラヴサン製作家であるデヴィッド・レイさんとは、私、面白い縁があるんですよね。
私が20代の頃、ロスが亡くなってしばらくして、レイさんが当時私の住んでいたお寺(荒れ寺)に遊びに来たんですよ。今思うととんでもないことですね。スコット・ロスの思い出話をしましたっけ。
では、どうぞ。1曲目が「ゆりの花ひらく "Les lis naissants"」、2曲目が「葦 "Les rozeaux"」、3曲目「胸飾りのリボン "L'engageante"」…と続いていきます。
Amazon クープラン「葦」(ユゲット・ドレフュス)
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