キングオブコント 2013 (TBS)
おとといのジャズ、昨日のプロレスに続いて、私のお好み文化である「コント」。
どれも「呼吸」が大切。シナリオとアドリブ、そしてリズム。だからこの三つは難しいし、うまく行くと深いものとなる。
中学の学園祭に向けて「コント同好会」の部員募集をしようと思っています。まじめな演劇もやるのですが、一方で幕間にコントもやります。もちろん私にとっては演劇とコントは全く同じ次元に存在しています。
そういう意味でも今年度の優勝者すなわちキングが「かもめんたる」になったのはいいことです。なぜなら、彼らはしっかりしたシナリオと演技力を持つ、どちらかというと芝居系のお笑い芸人だからです。
実際、彼ら「劇団」を名乗っていた時もありますからね。
ファイナルに残った他の芸人さんたちは、どちらかというと、テレビ的なその場しのぎに陥っている傾向が強かった。本人のキャラで勝負とか絶叫とか。
いつ消えるか分かりませんが、とりあえず「かもめんたる」の決勝の二つの作品を観てみましょうか。
こんな私にもコントへのこだわりというのがありまして、たとえば二人でやるコントでしたら、一人はごく普通の人、もう一方はグレーゾーンな人という設定にします。
今日のかもめんたるで言えば、2作ともに槙尾ユウスケさんが前者、岩崎う大さんが後者ということになります。まあ当たり前のこととして、それがツッコミとボケという漫才の対照と重なっているくるわけですが。
で、最近の芸人さんは後者、すなわち漫才で言えばボケの方に、顔や体型も含めてあまりにキャラが濃い人が多く、その結果、その人が演ずる架空のキャラのレパートリーが少なくなってしまうという問題点があるんですよね。
そうしますと、テレビ的な刹那芸ならともかくも、劇場でワンマン90分とか、演ってる方も観ている方もきつくなってしまう。
その点、かもめんたるは二人ともちょうど良いキャラの濃さ(薄さ)だと感じました。そして、実際お二人の演技力は細部にわたって見事なので、安心してストーリー(シナリオ)に入っていけるんですよね。
まあとにかくいろいろな文化、特に演劇文化の中において、「笑い」が一番難しいのはたしかです。悲しみや感動で涙を誘うのは難しいけれども、「笑い」で人を泣かせるのは至難の業であります。
だから教育現場で使えるんですよ。生徒の勉強という面でもですが、教師のテクニックとしてもね。
そういう意味でほかのファイナリストの方々は今ひとつ物足りなかったかなあ。いろいろクレームがついたというアルコ&ピースの「精子と卵子」ネタはけっこうジーンと来ちゃいました。文科省推薦(笑)。
かもめんたるは早稲田大学のお笑いサークル出身。私は彼らのようなどこか知性も感じさせる芸が好きです。今回もシナリオの言葉選びが絶妙だと感じました。今後の活躍に期待したいところです。
そして、彼らが活躍できるような場をもっとたくさん作ってほしい。今、まともなお笑い番組はNHKにしかありません。民放さんももっと文化の継承と向上にしっかり役割を果たしてほしいですね。
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