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2013.08.21

『万年時計の謎に挑む 江戸時代の天才vs現代の技術者』 NHKスペシャル

Tokei 放送を録画してあったものをようやく観ることができました。感動というよりも驚嘆。
 日本古来の時の流れ方が現在の私たちの感覚とは逆で未来から過去へ流れていたということを実証しようとしている私としては、和時計は非常に重要な参考資料です。
 田中久重のこのトンデモナイ万年時計の和時計も、その日本古来の時間観をしっかり反映しています。
 この万年時計には固定文字盤の洋時計も組み込まれていますが、和時計は回転文字盤にこだわっています。
 すなわち、自分(針)が止まっていて、時間(文字盤)が未来から過去方向へと動いていくということですね。
20130822_91743 当時は和時計でも固定文字盤のものが多数見られますが、田中久重はやはり回転文字盤にこだわったのです。
 そして、有名な自動割駒装置で見事に表現した不定時法。当時の時の感覚が自由に伸縮することを視覚的に表現してくれています。
 そして、延喜式以来使われている謎の「数時刻」。そう、昔の日本人も数字で表していたのですが、数字の進み方が逆で、時間が進むと数字が小さくなっていくんですよね。つまり、正午が「九」なら2時ごろが「八」(そうです、おやつというのは「お八」ですよね)。これって案外皆さん忘れてしまっています。
 この感覚は面白いし理解できる。時間は積み重ねていって増えていくという感覚もありますが、やはり残りが少なくなっていくという感じもする。分かりますよね。カウントダウンです。
 まあ、例えばこのような日本古来の時間観だけでなく、中国の時間観、さらには西洋の時間観、天文科学的な時間観など、ほとんど世界、いや宇宙の時間というものを一つの装置に詰め込んでしまったのが、この田中久重の万年自鳴鐘なのです。
 それを現代最高の科学技術を駆使して現代最高の職人さんたちが寄ってたかって分解、分析、復元した様子を追ったのが、この番組。
 これを観ますとね、やはり時間は未来から現在、過去へと流れているように思えます。田中久重自身も、未来に「こういう時計を作りたい」というモノをまず持って、それを原因として「今」いろいろ設計したり工作したりしたわけですよね。人間は未来に原因を作ることができるのです。それはいわゆる近代自然科学の因果関係とは違う「霊的な因果関係」です。
 まあ、そんな私の妄想は抜きにしても、この番組、あらゆる面で驚嘆の連続ですので、ぜひ御覧ください。日本人はすごい。

万年時計の機構解明

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