ロベルタ・マメーリ ソプラノリサイタル
さあ夢のコンサート本番。
いやあ、本当にすごい歌唱でした。私、ヴィオラですからマメーリさんのホントすぐ隣で演奏させていただいたわけですが、なんというか、久々に「あの」感じを味わいましたね。
あの感覚を初めて体験したのは、もう25年くらい前になります。ヴィオラ・ダ・ガンバの巨匠、ヴィーラント・クイケンさんと一緒に演奏した時です。
なんというか、脳波をコントロールされるというか、大きな波に乗って気持ちよく進んでいくような感じですね。
今回もマメーリさんの体全体から大きなうねりが発せられていて、それに私が共鳴共振して、勝手にアンサンブルしてしまう感じを味わいました。
そういう時は全く緊張しないのです。今回も今考えてみれば、マメーリさんだけでなく、他の演奏家の皆さんもプロ中のプロ、シロウトはワタクシだけですし、けっこう通奏低音が消えてヴィオラがその代わりをする部分が多い曲です。
ある意味、マメーリさんと二人きりでアンサンブルしなければいけないシーンもあるわけですし、さらにそうそうたる音楽家の方々をはじめとする多くの古楽マニアの前で演奏するのですから、普通のワタクシなら、かなり緊張して弓を持つ手がガクガクブルブルなんてことになってもおかしくない状況です。
しかし、まったくそんなことはなく、実に気持ちよく、恍惚の境地で演奏することができました。上の写真は調律師の梅岡俊彦さんが舞台袖から撮ってくださったものですが、ワタクシがかなり陶酔しているがなんとなく分かりますよね(笑)。
お聴きの方々がどう感じられたか分かりませんが、私としては今までの演奏歴の中でも特に良い出来であったと思います。
プログラムは以下のとおり。私はヴィヴァルディとヘンデルに出させていただきました。
↓click!
ヘンデルの「私を泣かせてください」もすごすぎました。この名曲、私も今までに何度もいろいろな方の伴奏をさせていただきましたが、今回のマメーリさんのは別格でした。
呼吸の一つ一つにさえ感動し、本当に演奏しながら「泣かせて」いただきました。皆さんにお聴かせできないのは残念ですが、本当に奇跡的なコンサートでした。
実は今朝も本調子でなかったマメーリさんに、我が家の耀わんのお水を差し上げたんです。もしかすると、またあれが奇跡を起こしたとか(笑)。
いや、本当に神がかり的な演奏だったのです。以前、世阿弥の言葉をヒントに「ものまね」に関してこのような記事を書きましたが、今日のマメーリさんはまさに「霊(モノ)を招(マネ)」いていたと思います。
そのような経験をさせていただいたことを、本当に幸福に思います。マメーリさんはじめ、素晴らしい音楽家の皆さん、本当にありがとうございました。
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