もう一つの富士山(その4)渡邊はま子『愛国の花』
今日は都留音楽祭などなどで大変お世話になっている調律師の梅岡俊彦さんが遊びにいらしています。
マニアックすぎる話が絶えることなく続き、あっという間に夜は更けてゆくのでした。基本は昭和の初期の文化事情でしょうかね。いや、そんなような一言ではくくれないトンデモなくディープな世界です。面白すぎ。まあとにかく梅岡さんの博覧強記ぶりに私は刺激を受けっぱなしなのであります。
とても一晩では語りきれない。これは定期的に報告会を催すしかありませんね。
私としては私なりの直観に基づいた発見などを提供するしかありません。少しでも梅岡さんの研究の助けになればと思います。
さて、そんなこんなで、今日は寝る前に思い出したこの曲を紹介します。
昨日の記事にも少し書きました、「もう一つの富士山」シリーズ。戦前、戦中、戦後の国民的歌手、渡辺はま子さんの「愛国の花」です。
昭和12年ラジオで流れ始め、13年に発売された国民歌謡です。福田正夫作詞、古関裕而作曲。年配の方は覚えていらっしゃるのでは。
昭和12年は支那事変の始まった年。そして翌年昭和13年と言えば、もう一つの富士山(その1)で紹介した防共富士登山が始まった年ですね。その前の5月には国家総動員法が施行されました。
この「愛国の花」は、男性を戦地に送り出した女性たちの、家や国を守るべき気持ちや心構えを、桜、梅、椿、菊に寄せて表現した歌。
冒頭に「真白き富士の気高さを心の強い楯として」と、富士山が登場しています。
ここでも富士山は「楯」なんですよね。まあ言うなれば防共の楯ということです。「楯」としての富士山ということで言えば、実はこの流れ、三島由紀夫の「楯の会」にもつながっていくと私は考えています。
その流れ全てをここに記すことはまだできません。考察が不足しているというより、ある意味現代的な危うさがあるからです。気になる方はご自身でお調べになるとよろしい。おそらく三島までは行き着くことでしょう。その先は…ナイショです(笑)。
渡辺はま子とその周辺についても調べなくてはならないことがたくさんありそうです。梅岡さんのご協力もお願いしましょう。
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