『白鳥伝説』 谷川健一 (集英社)
民俗学者谷川健一さんがお亡くなりになりました。
今、ちょうど「白鳥伝説」を読んでいるところだったので驚きました。
今まで谷川民俗学には全く触れずに生きてきたのに、本当に数ヶ月前にこの本を買って少しずつ読み進めていたのです。
きっかけは十和田湖でした。秋田の家内の実家に行った時には毎度十和田湖を訪れています。そのたびに気になっていたことがありました。
それは、十和田神社の縁起に「甲州南部氏が甲斐の国白鳥の宮の御祭神日本武尊の神霊を遷す」という一節があるということです。
甲斐の国の住人である私にとってはなんとも興奮を誘う記述です。しかし、甲斐の国の白鳥の宮というのは聞いたことがありません。
南部氏ですから、山梨静岡県境にある白鳥山に関する信仰かなとも思いました。たしかに、白鳥山にはヤマトタケル伝承や物部氏伝承が残っています。しかし、特に目立つ神社は残っていません。
そこで、白鳥神社というのが山梨にあるのか調べたところ、なななんと一つあったのです。それも明見に。富士吉田市明見と言えば、富士高天原伝承地。実際色濃くヤマトタケル伝説が残っています。
実際白鳥神社(はくとりと読むらしい)に参ってきましたが、非常に目立たない小さな社でした。明見と十和田湖が結びつくということはないと思っていましたので、偶然のこじつけだとしても、かなり驚きました。
この谷川健一さんの「白鳥伝説」はなかなか読み進めるのが大変な本です。退屈というわけではないのですが、私の古代史に対する知識が少ないためか、どうしても物語がスムーズに流れず滞ってしまうのです。
それでもひと通り読み終えた時、何か気づくのではないかと思い、常に机の上に置いて時々開いています。
この白鳥伝説こそ、最近の私のテーマを押し進める力の源になるかもしれません。
ヤマトタケル、十和田湖、出口王仁三郎の耀わん「十和田」、ニギハヤヒ、物部氏、聖徳太子の「和」、南部氏、日本(ひのもと)国、富士高天原、安倍氏、白鳥郷…。
思えば、比較的最近、家内の実家である安倍家(アベとは読みません)が、白鳥の飛来地として有名な横手市十文字に居を移したのも何か不思議な気がします。
ここ1年の安倍総理ご夫妻とのご縁も実は関わってきています。
こうして谷川さんのおかげで点と点が結びつきつつ在るわけです。感謝です。ある意味谷川さんの想定を完全に超えた世界が構築されつつあるのですが。
谷川さんはお亡くなりになりましたが、こうしてその思想や哲学、歴史観は生き続け、そして成長し続けるのでした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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コメント
明見生まれ、明見育ちなので、思わず検索しちゃいました~
鳥居があるあの細い道の奥ですね
ついでに、こんな神社の検索サイトも見つけちゃいました
明見、神社多いです
http://www.jinja.in/chubu/yamanashi/gy771?page=1
投稿: ふなふな | 2013.08.26 09:28