渋滞学
山中湖、御殿場を経由して静岡の実家にやってまいりました。
観光地ということもあって、山中湖畔は大渋滞、さらに新東名も一部登り坂で軽い渋滞。
もうお盆の季節はしかたないとあきらめている人がほとんどでしょう。
私はムキになって迂回路を探し、結果として渋滞している道より遅くなるというタイプです(笑)。
しかし、これは考え方によってはですね、他人のためにはなってますよね。だって1台減るんですから。
そう、実はこうして皆がいろいろな選択肢に挑戦すると、渋滞はかなり緩和されます。それも私のように自分だけ早く行こうとか思うのではなく、あくまでも「利他」の精神で挑戦する人が増えればいいんですよね。
私は実を言うと「時間は未来から過去へと流れている」という考えに基づいた独自の渋滞理論、渋滞解消理論、渋滞回避方法を信じているのですが、今日はそれではなく、もっと頭のいい方の「渋滞学」をおススメします。
東大の西成活裕さん。私はこの本のもとになったNHKの番組で初めてその存在を知りました。
うん、なるほど、蟻の行列は渋滞しないよなあ。けっこう車間距離詰まってるけど(笑)。
つまり西成さんは、いわゆるボトルネックで流入量が処理可能量を超えると渋滞が発生するという従来の理論とは違った観点から渋滞を研究しているのです。
私はその理論の先に、仏教の哲学を見ました。そう、先ほど書いたように「利己」ではなくて「利他」の精神を持たねば根本が解決しないということです。
自分が1秒でも早く目的地に着きたいと思うから、どうしても車間が詰まる。そして、合流で我先にと割り込んでしまう。
結果としては、それが全体の利益につながらず、回り回って結局自分も不利益も被るのですね。
私は、車という特種空間が人間の「利己性」を助長すると思っています。車を運転するとだいたい性格が悪くなるじゃないですか(笑)。急に気が大きくなったり、暴力的になったりする。
そういうことも含めて、今後は渋滞について考えて行かなければなりません。
エスカレーターの追い越し車線や、コンビニのレジの並び方など、最近生身の人間どうしの「譲り合い」についてはけっこう工夫がなされてきていますね。
それらは一つの社会のルール、マナー、モラルとして定着しつつあります。つまり、お互いの顔が見えるので自発的な「良心」が発現するようになっているんですね。
車の社会でも、そういう「対面」が一般化すればいいと思うんです。宅配便のトラックに運転手の名前が書いてあるとか、ハザードランプで「ありがとう」をするとか、少しずつ車内から「人間性」がにじみ出る機会が増えて来ましたが、もっともっと、「恥ずかしい」も含めて車が「人格」を持てば、案外渋滞は簡単に緩和できるのかもしれません。
…と、それは私のトンデモ理論の一部でして、西成さんはちゃんと数学を使ってもっとちゃんと証明してくれています。
ただ、私は西成さんの理論を理解しようとしていて、上記のような仏教哲学に行き着いたのも事実です。
渋滞による経済的損失は年間12兆円。私たち一人一人が毎年1万円損している計算になりますね。それがもし「心」の問題で減額できるなら、そんないいことはないと思います。
ちなみに、休暇に入って、私、仕事が渋滞しています(笑)。それについても西成さんは独自の理論をお持ちです。
たしかに、仕事について、自分と自分が譲り合っていては、渋滞どころか通行止めになってしまいますね(笑)。
Amazon 爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学
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