祝!イチロー4000本安打〜未来に良き原因を作る
イチローがまた偉業を成し遂げました。
このブログでも哲学者イチローについて時々書いてきましたね。
特に茂木健一郎さんをやっつけたトークスペシャルなんか最高でしたね(笑)。
彼がなぜ哲学的か、禅的かというと…昨日の和時計の話につながるんですけど、つまり、時間の観念が私たちと違うのですよ。
小学生のイチローが書いた有名な作文がありますよね。「僕の夢」。
今日もイチローは「5000本安打も可能性はゼロではない」というようなことを言っていましたね。つまり、イチローは昔も今も常に「未来に原因を作ってきた」のです。
イチローになれない私たちも、実は未来に原因を作っています。お分かりになりますか?そう、「どうせ無理だ」とか「まあいいや」とか思うのは、未来の自分をあきらめた状態です。その未来像が原因となって、怠惰な現在の自分が出来上がるのですから。
いや、あきらめの想念を持ったのは過去の自分ではないか、といういかにも西洋近代科学の時間軸にとらわれた考え方をなさる方もいらっしゃるでしょう。しかしですね、もうそこを脱しないと私たちは変われないのです。
一方、イチローは「過去」ともしっかり向き合っています。今日もいいこと言ってましたよね。4000の成功の裏には8000の失敗があると。そして、それとしっかり向き合ってきたと。
過去の失敗に学ぶということは、過去に原因があって現在や未来の進歩という結果につながっているように見えますよね。普通の因果関係。
しかし、これも実は違うんです(と私は思います)。説明しましょう。
過去に学ぶと一言に言ってしまいますが、いくつかパターンがあります。
一つは先人に学ぶということ。これは過去の成功例に学ぶ、成功例を「真似ぶ」ということです。これは、その先人が過去のある一点(今)において、どのような未来を想定・妄想したかということです。つまり、どういう未来を思い描くと成功するのかというのを学んでいるわけです。
もう一つは、イチローが自らの失敗に学ぶというような場合です。これは実は「真似ばない」ということですね。バッティングで言うなら、あのピッチャーのあの球種のあのスピードのあの球筋なら、このようにバットをスイングすればあそこへ飛んでヒットになるだろうという未来予測(実際にはほとんど本能的で言語的ではない)が外れた。つまり、その時描いたイチローの頭のなかの未来が失敗という結果を招いたわけです。ですから、それは真似てはいけない。次は違う未来(原因)を作らなければならない。
このように考えると、イチローは、無意識的ではあれ、我々とは違う時間軸と因果関係の感覚を持っているということが分かってきます。
これはイチローに限らず、多くの天才たちが持っていたモノではないかと、最近思うようになってきたんです。そして、本来私たちは和時計的な(本来の日本人的な)感覚を持って生まれてきているのに、この西洋化した社会の中で生活し、教育を受けているうちにそれを忘れてしまうというか、ほとんど洗脳的に塗り替えられてしまっているのではないかと。
だから、世の天才たちは、だいたい型破りというか、形が変というか、美意識が違うというか、世の常識に当てはまらないように見えるのです。
私たちはイチローの偉業(ある種の異形でもあります)を見て、ただ感心したり賛美したりするだけでなく、彼のそういう感覚に「学ぶ」必要があると思います。
私は、今その洗脳を解く方法を妄想中です。それが「日本を、取り戻す」ことにつながると馬鹿みたいに真剣に考えているからです。
未来に良き原因を作る…皆さんも一緒に挑戦してみませんか?コツが分かってくると楽しいですよ。
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コメント
今年の3月辺りでしょうか、こちら「不二草紙」に最初に立ち寄ったのは…。 初めに何を読んだのかは憶えていませんが、正直なところ、「変てこなおっさんがいるなあ」(笑)というのが第一印象でした。 その後、妙に惹かれるモノがあり、時折訪問してはあちこち閲覧するようになり、今では ほぼ更新ごとに読ませてもらうほどのファンになりました。
でも、「変なお人だなあ」 という思いは変わりません(笑)。 「2013.08.12」の、巨大な唐丸籠のような蚊帳の中にたたずむ庵主さまの写真には、思わずにっこりさせられ、ますますその感を深くしました。 飯島勲氏の「気持ちの悪い教師」とは異なりますが、「大物輩出」の雰囲気は十分感じられるのです。
さて、今回のイチロー論とは関係ないのですが、「不二草紙」を読んでいてハッとしたことがありました。
一つは、「2013.01.06」の記事。 王子「北とぴあ」での「出口王仁三郎とその一門展」へは、わたしも同日に出かけていたんです。 ひょっとしたら、「不二草紙」を読み始める数カ月前に、すでに庵主さまと遭遇し、拝顔の栄に浴していたかもしれない…。 そして、「北とぴあでの異常接近」を知った直後に読んだ「2013.06.17」の記事。 突如 目に飛び込んできた超ローカルな地名「武蔵の国 奈良梨」「八和田神社」には驚きました。 奈良梨も八和田も、わたしにはとても縁の深い所だったからです。 これらの偶然が何を意味するのかはわたしには分かりませんが、まさに、「セレンディピティ、シンクロニシティにこそ人生の本質がある」 とする庵主さまのお説を体感するような瞬間ではありました。
「なんでもござれ」のサブタイトルどおり、庵主さまの多趣味多才、博学蘊蓄には舌を巻きます。 その広さ 深さ 濃さには驚かされつづけ です。 そして 曰く言いがたい「開けっぴろげ感」というか「おおらかさ」、これがなんとも突き抜けていて尋常ではありません。 やはり変なお人なんです(笑)。
一隠れファンのまま読みつづけようと思っていましたが、ちょっと惜しい気もして、こんな愛読者もいますよ というお知らせかたがた駄文をつづりました。
投稿: わだ | 2013.08.24 10:47