『おにいちゃんのハナビ』 国本雅広監督作品
今日NHKBSプレミアムで放映されました。カミさんと一杯やりながら鑑賞したのですが、お酒よりも大量の涙が出てしまって困りました。
いやあ、年取って涙腺が緩くなったというのもありますけれども、やっぱり作品が心にしみる名作だったのでしょう。
ある意味ではコテコテのストーリーです。予定調和とも言えるかもしれない。しかし、その予定調和への過程がこの上なく美しかった。
それはこの作品の脚本が事実に基づいているからとも言えましょうが、なんというかなあ、やっぱり実在の、歴史ある、そして人々の心の詰まった「まつり」が舞台になっているということでしょうか。単なるドラマではなく、ずっと紡がれてきた「物語」の象徴的表現としての映画作品という感じがしましたね。
難病の妹とひきこもりの兄。父と息子の微妙な関係。田舎の結束力とその裏返しとしての排他性。これらは特殊なようで普遍的なテーマですよね。ありそうで実際にある、なさそうで実際にはある。
花火、同級生、生と死…兄を演ずる高良健吾くんを見ていて、私は我が町に生まれ、遊び、悩み、懸命に生きて、そうして若くして亡くなった志村正彦くんのことを思い出してしまいました。
そう、ちょうど今日、NHK甲府のまるごと山梨「がんばる甲州人」のコーナーでフジファブリックの志村正彦くんが取り上げられたんです。
彼の生い立ちから、凱旋ライヴ、そして死とその後…10分間に及ぶなかなか充実した内容で、あらためて志村くんの偉大さ、天才ぶりを確認いたしました。
不思議だなあと思ったんです。なんで両方の番組がなんで今日なんだろうって。
一期一会…縁というのはいろいろな奇跡を起こす。
今日も番組で志村くんのお母様が「一期一会」という言葉を最後に挙げていましたね。まさに彼のおかげで、私は「一期一会」をたくさんいただきました。
そこに「おにいちゃんのハナビ」も関係しているのです。
そう、以前、フジファブリック学をやった時に新潟からいらした方がいらっしゃいました。その後、その方とは、それこそ不思議なご縁で、フジの音楽を越えていろいろと情報交換させていただきました。
その方は小千谷の片貝町の出身でして、この片貝の花火の話も、ちょうど数ヶ月前にうかがい、今年はぜひ「片貝まつり」においでくださいとお誘いいただいたところだったのです。
本当に見事なタイミングでの放映でした。ぜひとも片貝に行ってみたいですね。
今日はそんな「一期一会」を記念して、フジファブリックの「打ち上げ花火」を載せておきます。
とんでもない歌詞と音楽です。一般的な「打ち上げ花火」のイメージからはあまりにかけ離れているけれども、なんだろう、このしっくりくる感覚は。
日本人にとって「花火」は単なる「Firework」ではありませんね。「おにいちゃんのハナビ」が「ハナビ」としたことにはいろいろな意味があるのでしょう。
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