山宮浅間神社
今日は富士山麓でいろいろ用事があって、結局自宅から反時計回りで富士山を一周しました。
いろいろな所に寄ったのですが、一箇所だけここで紹介します。
世界文化遺産の構成資産の一つ、富士宮の山宮浅間神社です。
先日放送されたETV特集『富士山と日本人 ~中沢新一が探る1万年の精神史~』でも紹介されていたとおり、この浅間神社は非常に古い形態を保った神社です。すなわち、社殿がなく富士山自体をご神体としていることです。
遥拝所には原始的な石積みがあって、まるで縄文時代以前の富士山祭祀遺跡のようでもあります。
以下写真を数枚ご覧いただきましょう。
↓参道の双体道祖神。富士宮は双体道祖神の多い地域として有名ですね。性の和合のエネルギーを魔除けに使うというのは非常に古い信仰形態であり、かつ中世の密教や修験道の影響も感じるものです。
↓鳥居横の石碑。南西に位置する浅間大社(本宮・里宮)の山宮であったことが分かります。
↓参道に並ぶ燈籠。かなり新しいもので、英語が刻まれたものも(笑)。こういう時代を超えた感じがいかにも日本文化らしい?
↓球型の火山弾をそのまま使ったと見られる「鉾立石」。本宮からの御神幸の際に鉾を置いて休んだ場所だとか。
↓遥拝所。正面に富士山が見えるはずでしたが、残念ながら雲に隠れていました。隠身ということで、それもまたいいものです。
何回か社殿を造営しようとしたけれども、そのたびに嵐が起きて吹き飛ばられてしまったという伝説が残っています。風神の祟りだと考えられ、それで今でも社殿がないのだとか。
大神社展の記事に書いたとおり、「ない」というのは究極の「ある」だとも言えます。
ご神体についても、雲の絹垣に覆われて絶対性、永遠性を得ているとも言えましょうか。
はたしてこのあたりを外国人の方々は理解できるでしょうか。いや、日本人でさえも。
ある意味あまりに「ショボい」ですから(笑)。
そうそう、それからあのご神体の前を横切る高圧線、なんとかならないでしょうか。さすがにあれはない。
↓そういう意味では、参道脇の廃屋(?)もいい味を出している。こっちの方が文化遺産っぽいかも(笑)。
地元でも現代的な意味では「ショボい」と思われていたこの神社、いきなり世界遺産になって観光地化してしまうことが危惧されます。
まあそれも含めて日本の神様は受け入れてくれるでしょうか。
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