警策(けいさく・きょうさく)
今日は塩山向嶽寺において宿泊座禅。毎年中学2年生がお世話になっております。
臨済宗向嶽寺派大本山である塩山向嶽寺の素晴らしさについては、もう言うまでもありません。一般には入ることの許されないホンモノの修行道場での座禅は、どんな生徒も感動し、また来たい、また座りたいと言います。
私たちの心の修養には、やはり環境が大切であることを身にしみて感じますね。私も最初の座禅から見事にすっぽりとはまって気持ちよく、自分や世界や時間から解放されました。ありがとうございました。
特に今回は、誰よりも早く「警策」で打っていただいたので、まさに身も心も引き締まりました。
やはり、荒魂というのは大切ですね。それを単なる体罰だとか、いじめだとか、そういう言葉で片付けてほしくない。
実は私は最初のお手本として生徒の前で打たれてみせたのですね。そうしたら、まあみんな生徒たちが合掌して打たれたがること(笑)。ほとんど全ての生徒が自ら進んで警策で打たれました。
みな、本当に「痛いけど気持ちいい」というのです。私も一言で言うならそういう表現をするでしょうね。自分のために打っていただくのです。
ホント、これからは教室に警策を置いておいてですね、生徒が望んだらバシッとやりましょうかね。こちらからやると「体罰」とか言われそうなので、まずは希望制(苦笑)。
いや、まじめに本校では「警策」の意味、そしてそれが体罰とは違うということをですね、文書にして生徒保護者に配布したんですよ。時代はそんなところまで来てしまっているのです。
今日も雲水さんがおっしゃってました。もう何百年も変わらず続いているのだから、やっぱりちゃんと価値があるのだ、と。そのとおりですね。
それにしても、自ら望んで6回(臨済宗は両肩を二回ずつ打ちますので総計24発ってことか)も叩いてもらった生徒がいました(自らドMと称する男子)。
今回座禅指導を担当してくださった方丈さんは、「打つ方も打たれる方も清らかな心で」とおっしゃっていました。当然、打つ方も打たれる方も修行ということですね。わかります。
打つ方は利他の施しであるべきでしょうし、打たれる方はそれに対する純粋な感謝の気持ちがなければならない。子どもたちは自ら望むことで打たれる側の修行をしっかりしていたと感じましたし、方丈さんもいつもと違って子どもをあれだけ(計100発以上)を打つわけですから、かなりの修行になったのではないでしょうか。
ところで、「警策」という言葉、一般には臨済宗では「けいさく」、曹洞宗では「きょうさく」と呼びます。
本来は馬を鞭打つことを言った中国語ですが、日本に入ってきて、「本来の力を発揮させるアイテム」というような意味でしょうかね、「詩文の要となる言葉」という意味になり、さらに進んで「詩文や人柄が優れていること」という意味の形容動詞として使われるようになりました。
たしかに、あの一発の「痛み」や「衝撃」が、私たちの日常の中に秘匿されている何か大切なモノを呼び覚ましてくれる感じがしました。
「警策」という物の名前には、そういう深い意味があったわけですね。単なるシゴキ棒ではない(笑)。
いつも書いているとおり、私は日本古来の「荒魂(あらみたま)」と「和魂(にぎみたま)」の関係性について、1対99の配合ということ理想としています。
いろいろなスケールの世界において、実は1が99を支えているのだと思うのです。これが0対100になってしまったり、あるいは10対90くらいの比率になってしまってもダメだと予感するのです。
人なら100人に一人くらいは荒くれ者や狼藉者や悪党が必要ですし、我々の生活なら1年に3日か4日くらいは苦しい日がなくてはならない。あるいは100回ほめたら1回は叱らなければならない。100回信用したら1回はとことん疑ってみるのがよい。
(本来望んではいけないのかもしれませんが)100年に1回くらいのペースで大きな自然災害も起きるべくして起こっている。
昨年のこの機会に管長さまがお話くださった「逆縁」も「1」の一つかもしれませんね。
その「1」こそが全体にとっての「警策」となるのだろうと思います。
もちろん、私たちの理想はその「1」がなくなる、なくてもすむことです。残念ながら人類はまだそこまでのレベルになっていません。だから何百年も「警策」はなくならないのです。
それをなくすためには、その意味を正しく理解しないと始まりません。ただ単に、「体罰」だ、「いじめ」だ、「暴力」だと言って排除するとどういうことになるか。
世の中に「やくざ」がいなくなってどうなったかを考えれば分かります…なんて、ちょっと飛躍しすぎでしょうか。
まあ、とにかく素晴らしい覚醒を導いてくれた尊い「警策」に感謝いたします。本当にありがとうございました。
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コメント
踊りのライブ前に、仲間たちで背中を叩き合ったりしてました
それをやってもらうと「よし!!」って感じで、イイ~感じに気合が体中にみなぎるんですよね
なので、実際に警策で打たれた経験はありませんが、感覚はわかるつもりです
投稿: ふなふな | 2013.06.30 11:03