仲小路彰 作詞作曲 『永遠なる女性』(歌 三浦環)
午前中夫婦で山中湖へ。今日もまた仲小路彰の言葉の数々に触れました。
今日の最大の収穫は、仲小路彰の音楽を体感できたことです。
まず、彼の作曲した日本語オペラの楽譜を拝見できたことに感動。モーゼをテーマとした曲で、楽譜は歌のメロディー譜のみでしたが、実際にはオーケストレーションが頭の中にあったとのこと。
これはなんとしても現代に蘇らせたい。日本の音楽史上大変貴重な財産であると感じました。膨大な楽譜群が眠っているとのことです。しっかり整理、管理し、そして演奏してゆかねばなりません。
続きましてほとんど唯一公式な音源として世に出ている仲小路彰の作品を聴かせていただきました。
「永遠なる女性」という歌曲です。5枚組で発売された「三浦環全集」の最後に収められています。
音をお聞かせできないのが残念ですが、シンプルながら実に美しい旋律の歌でありました。作曲されたのは昭和17年、録音はおそらく昭和19年か20年でしょうか。三浦環最晩年の録音ということになります。還暦を迎えようかという頃でしょう。
その声はまるで少女のよう。まさに「永遠なる女性」です。亡くなった三浦環の声帯を分析したところ一般女性の十代の声帯を保っていたそうです。
三浦環と仲小路彰ゆかりの方から、いろいろなエピソードをうかがいながら聴いたこともあったのでしょう、私たち夫婦の目には思わず涙が溢れました。
ピアノの伴奏はもしかして原智恵子でしょうか。ピアノの伴奏もシンプルですが、非常に美しく効果的でした。
実はこの歌の詩はネット上で読むことができます。国会図書館のデジタルライブラリーで公開されている、仲小路彰の「米英の罪悪史」93コマ目のページにこの詩が掲載されています。
この「米英の罪悪史」はラジオ放送だったようなので、もしかすると実際にこの音源が流されたのかもしれませんね。
ここにその歌詞を掲載させていただきます。美しい日本語です。
天照らす 御光りの
きよらけく あきらけく
さし出づる あしたのごと
きよらなる 乙女の願ひ
永遠に 純かれ
乙女の願ひ 永遠に純かれ
天照らす 御光りの
くもりなく くまもなく
さしわたる 真昼のごと
まとこなる女性の想ひ
永遠に 美はし
女性の想ひ 永遠に美はし
天照らす 御光りの
かぎりなく そこひなく
さし恵む 御空のごと
たらちねの 母の心
永遠に 安かれ
母の心 永遠に安かれ
仲小路彰は様々な音楽家にも大きな影響を与えています。ポピュラー音楽の方面では、加藤登紀子さん、細野晴臣さんらが、その思想や音楽に触れて「最も影響を受けた」というような発言をなさっているとのことです。
21世紀の未来学を構築していた仲小路彰。その思想、哲学だけでなく、音楽もいよいよ復活する時を迎えたようです。
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