北東アジアに関する雑感(予感)
今日は軽く北東アジアに関する私の雑感(予感)をメモしておきましょう。
まず寝る前に飛び込んできた二つのニュースについて。
一つはアメリカを訪問中のパク・クネ大統領が日本の歴史認識について批判したというニュース。
「歴史に目を閉ざす者は未来が見えない」
日本を名指ししたわけではないので、この言葉は自国も含めた全ての国に対するものだと受け取りたいと思います。
ご存知のように朴槿恵さんは、韓国の歴史上最も有名な大統領朴正煕さんのご長女。朴正煕さん(日本名高木正雄)は日本陸軍士官学校に留学し、成績優秀で卒業後満州国軍中尉にまでなっています。
韓国の大統領になってからも日本統治時代に学んだことを国政に活かし、韓国の奇跡的な成長の先鞭をつけました。
彼の残した言葉からは、単なる「親日派」というような単純な感情ではない、もっと本質的な「歴史観」を感じることができます。
「わが民族史を考察してみると情けないというほかない」
「(韓国社会は)姑息、怠惰、安逸、日和見主義に示される小児病的な封建社会の一つの縮図に過ぎない」
「日本の朝鮮統治はそう悪かったと思わない。日本の教育は割りと公平だったと思うし、日本のやった政治も私は感情的に非難するつもりもない、むしろ私は評価している」
このように自国の歴史を直視していたからこそ未来を切り開けたのでしょう。
その娘さんの発言ですから、先ほど述べたように単なる日本批判とは捉えたくないのです。もちろん韓国国内では「よくぞアメリカで日本批判をしてくれた」ともてはやされて当然です。しかし、日本人としてはあえて冷静にこの言葉を受け取りたいと思います。
さらにもう一本のニュース。中国共産党機関紙「人民日報」に「沖縄の領有権は日本にはない」という趣旨の論文が掲載されたとのこと。
予想されていたとはいえ、ここまで大胆に沖縄に食指を動かしてくるとは。まったく困ったものです。
尖閣も含めあのあたりの領土問題や統治権問題については、たしかに一筋縄ではいかない歴史があるのは分かります。私でさえ単純に尖閣が日本の領土であるとは言い切れませんから。
また、琉球王国や台湾の歴史についても、私たち本土の人間は知らなすぎます。第一、沖縄返還の裏の裏の裏事情については、私もつい最近知りましたし(世に出ていないので知りようがなかったわけですが)。
しかし、最近の中国や韓国のやり方は、現代国際社会においては非常に稚拙であることはたしかです。
私としては純粋に心配なんですよ。北朝鮮は言うまでもなく、中韓ともに経済的に来年以降は特に大変になってきますから、この段階でのこういう「窮鼠猫を噛む」ようなやり方をしているようでは、彼らにとってなんのメリットもないということです。つまり、それぞれの首を絞めるだけなのではないかと。
先日の安倍総理のロシア、中東歴訪、その前のモンゴル訪問、さらに来月の東欧歴訪などからも分かるとおり、日本は特定アジア諸国を取り囲む形の連携を取り始めています。
これは外交上当然のことです。窮鼠や泰山の動きをグローバルに封じて、それこそ「泰山鳴動して鼠一匹(二匹?)」で終わらせる良い手立てだと思います。
安倍総理がヘイトスピーチはやめようと提案している時期ですから、これ以上誤解を招くようなことは書きたくありませんが、やはりアジアの隣人たちが間違った方向に向かうことだけは避けたいので、あえて大局的な予想に立ちながら一つのメッセージを残しておきます。
「難所に当たりて忍従せず人倫を捨つれば必ず自らを谷底に堕とすに至るなり」
最後にもう一つ。安倍首相の今日の国会答弁。「アジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた。その認識では歴代内閣と同じ立場だ」…これは戦争史を客観視すれば当然の事実認定です。
「その認識では」とありますとおり、他の側面もあるということで、そちらの面に関しては歴代総理とは違った立場を取るということでもありましょう。
本当はそうした総体的観察に基づくものこそが正しい「歴史観」であり、そうでないものは全て「主義」(さらに強く言えば原理主義)になってしまいます。
地球の「艮」が平和であることを心から祈ります。
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