SEIMITSU COMA (由紀精密)
さて、これはなんでしょう?
答えは「コマ」です。漢字で書くと「独楽」。
この小さなコマは由紀精密さんという中小企業の製品。テレビでも紹介されていた全日本製造業コマ大戦の第1回大会で優勝した会社ですね。航空機や人工衛星の精密部品の製造も手がけている「町工場」。
ウチの学校の技術の先生が、その会社で作っているコマをぜひほしいというので注文してみました。
それが今日届きまして、さあ男どもみんなでコマ回し大会です。
みんな少年のように一生懸命回している。いいですね〜。全日本製造業コマ大戦もこういうノリなんですよね。「大のおとなが小さなコマに…」。
しっかし美しいですなあ…フォルム、微妙な重量感、軸をつまんだ時の質感、そして立ち姿…いや、回り姿と言うべきなんでしょうけれど、あの、回転が安定してきて軸が垂直に立った時の、あれはですね、まるで高僧の座相のように美しく立っている。
優れた座相が座っているのに間違いなく立っているのと同じく、このコマは回っているのに間違いなく立っている。回転しているに静止している。
萌えますねえ、この精密加工技術。職人魂。そしてモノの佇まい。
コトを窮めるとモノに至るとは、まさにこれでしょう。動物や植物が、そしてアスリートが、また優れた道具がどんどん美しくなっていくのは、結局のところ高僧と同じく、己を空しうしていくからでしょう。
つくづく日本人だなあと思います。中小企業さんに残るこうした職人魂こそが、実は自然に回帰していく優れた他者性を具現化するんですよね。
それに比べて最近の大企業の製品たるや…。その点、Appleなんか、さすが高僧スティーブ・ジョブズの息がかかっているだけのことはある(これからはどうなるか分かりませんが)。
このコマ、回さずともそこに置いておくだけで何か大切なモノを私たちに伝えてくれます。一つ840円。たった840円ではありますが、まるで宝石のような美しさがあります(少なくとも男にとっては)。
皆さんもぜひ、ご家族で、仲間で、美しいコマ回しに挑戦してみてください。この小さな(直径1センチ)のコマが、なんと3分も回るのです…実際3分回すのは大変難しいので、そこがまた萌える、いや燃えるんですよ。ある種の不動心を要求されるんですから。まさに禅ですな。
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