追悼 田端義夫
バタヤン逝く…94歳。90歳を超えて現役だった彼こそがイケメンだった。
田端義夫さんが生まれたのが大正8年。1919年。歴史で習う年号です。ヴェルサイユ条約調印、ワイマール憲法成立。
大正、昭和、平成を歌とギターとともに生きたバタヤン。誰にも真似のできない唯一無二の境地に至っていた方でした。
弦楽器弾きとしては、彼の歌はもちろんギターの演奏に、まさに心震わせたものです。なんでこんなに心に訴えかけてくるんだろう。
Charさんだったかなあ、誰かが言ってたよなあ。田端義夫さんはすごい!って。ギター弾き語りの元祖だって。
田端さん自身、ディックミネさんに憧れて始めたと言っていますから、その歴史的事実は違うとしても、やはりそのスタイルを70年以上貫いたのだから、元祖でも本家でも神でもいいと思います。
ああやって、ギターを歌の旋律に合わせて(沿わせて)爪弾くのは、明らかに純邦楽の伝統であります。長唄、端唄、小唄の三味線。
コードを弾くのではなく、ギターも一緒に唄わせたり、泣かせたりするんです。それこそが日本の音楽における「伴奏」「弾き語り」の伝統です。
あの構え方も瞽女を思い浮かべさせますよね。
あのギターに対する愛情も尋常ではなかった。物に対する愛着というのも、私たちが忘れてしまった大切なことなのではないでしょうか。特に音楽家にとっての楽器の存在。モノの音を招くコト(琴)の存在。
今日はいくつの動画を拝見拝聴しながら、バタヤンの功績を偲び、ご冥福をお祈りしたいと思います。
「かえり船」
語り「ブラジル公演の思い出」
「赤とんぼ」
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