追悼 三國連太郎…「飢餓海峡」
また名優が逝く。日本映画界に強烈な印象を残した三國連太郎さんがお亡くなりになったとのこと。
三國さんと言うと、私は「飢餓海峡」を思い出します。ご存知の方も多いだろうと思いますが、水上勉の原作を内田吐夢監督が見事に料理した、日本映画史に残る名作です。
初見の時は、左幸子さんの存在感に圧倒されました。しかし、今となってみると、三國さんの内省的な演技の方が強く記憶に残っているから不思議です。
犬飼多吉と樽見京一郎という男の二面性を象徴するような人物を好演した三國さん。なんとなく陳腐な言い方ですけれども、やっぱり迫真の演技だったなあと思います。
その「迫真の演技」を支えていたのは、やはり三國さん自身の人生経験だったのでしょう。ここではその詳細については語りませんが、昭和の男の強さと弱さを人一倍実生活で体現してきた三國さんだからこそ、ああいう無駄のない演技ができたのでしょうね。
太地喜和子さんの一件も含めて、女性関係もなかなかお盛んだった三國さん。しかし、それが不思議と不潔な感じをさせない、なんというか、男の純粋さ、少年のような可愛らしさを持っておられたように感じます。
これを機会に久しぶりにビデオテープを引っ張り出してきて観てみようと思います。
最後にご冥福をお祈りしながら、「飢餓海峡」のテーマ音楽を聴いてみましょう。冨田勲さんの素晴らしい仕事です。
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