演奏会案内…ヴィオラ・ダモーレ弾きます!
朝起きたら我が家の周りはすっかり銀世界。タイヤ交換してなくてよかった。
そんな季節外れの雪を積んだまま東京へ。6月1日の演奏会の初練習です。
いつも我が校の遠足&芸術鑑賞を兼ねて行う横浜での演奏会です。チラシをご覧ください。
詳細はこちらをご覧ください。
今回はなかなかゴージャスなコンチェルトが並んでいますねえ。その中で、私がヴィオラ・ダモーレのソロを担当しますのがテレマンの三重協奏曲であります。
これはテレマンの膨大な作品の中でもかなりユニークかつ気合の入った名曲です。
なにしろソロ楽器の組み合わせが珍しい。ヴィオラ・ダモーレ、オーボエ・ダモーレ、そしてフラウト・トラヴェルソです。
ダモーレが二つというのはすごい。アモーレ(愛)が二つですよ。今日は記念にオーボエ・ダモーレの大山有里子さんと一緒に記念撮影をいたしました。
けっこう珍しい光景なんですよ、これ。
ただですねえ、大山さんのダモーレは本物の「愛」ですが、私のは「偽愛」です(笑)。
ええと、これは中国製でして、驚くほど安いシロモノです。普通に製作家に作ってもらったら、まあ200万円くらいでしょうかね。とてもそんなお金はないし、あまり使う機会がないし、今回はオファーをいただいたけれどもどうしようかなあと思って、知り合いのバイヤーさんに相談したら、ありますよ!と。
それも普通の楽器が50台以上買えるお値段で(笑)。まさか?と思い、弦の数を確認したら、ちゃんと演奏弦7弦、共鳴弦7弦あるとのこと。
もうそれだったら、どんなのでもいいやと。なんちゃってでもなんでも、形さえちゃんとしてれば、あとは得意の改造でなんとかする…いかにも、ハッタリ、チャッカリの私らしいノリですね(笑)。
で、到着した楽器がこれだったと。ああ、最近よく海外のオークションに出てる怪しい楽器だ。
一見ダモーレっぽいけれど、サイズはヴィオラというよりヴァイオリンだし、裏板が平らなはずが、しっかり船底になってるし、指板の形も変。そしてなんと言ってもテールピースの安易な「ハート」型の穴(笑)。ダモーレだからって…その安直さはさすがシナ(失礼)。
20年くらい前になるでしょうかね。実は私、この曲でダモーレを弾いたことがあるんです。北とぴあの国際音楽祭の祝祭オケでソロを弾きました。
その時は、知り合いから本物(と言ってももちろんコピーですが)をお借りして弾いたんです。だから、いちおう本物の「愛のヴィオラ」がどんなものか体で知っている。
そこで、さっそく改造を始めました。まあ、弦をガットにするなんてのは当たり前。一番困ったのは共鳴弦でした。まあ、いい加減なもので、全部同じ太さの金属弦が張ってある。ダモーレ専用の共鳴弦は入手するのも困難なので、代用品としてマンドリンやマンドラの安い金属弦を購入して適当(適切)に張り替えました。
駒を削ったり、ニスを塗ったり、いろいろ手を加えて、なんとかそれらしい、ある意味過度にそれらしい音がする楽器となりまして、今日を迎えたということであります。
まあ、皆さんホンモノのヴィオラ・ダモーレの音を生で聞かれたことがないでしょうから、なんとなく「うわ〜!」という感じで驚いてくださりましたので、ちょっと安心(いいのか?)。
あっそうそう、実は一番大変だったのは調弦法です。今回そこんとこはけっこうちゃんと研究しました。
なにしろ、この曲のオリジナル譜はですね、ホ長調の曲なのにヴィオラ・ダモーレのパートはヘ長調の、それもフレンチクレフ(ト音記号が一般のものより三度下にある)で書いてあるんですよ!
いったいそれはどういう意味なのか…いろいろと推測しましてなんとか「正解」にたどり着きました(たぶん)。ちなみに20年前の私の調弦は間違ってました。あの頃はインターネットもなかったので、本当に自己流でやるしかなかったのです。
ただ調弦法が分かってもオリジナルの楽譜では弾けないので、ビーバーのこちらの楽譜のスタイルに則って書き直しました。一般の方にはこっちの方が訳わからんでしょうけど、私にはこっちの方がずっと弾きやすい(いわばタブ譜なのです)。
というわけで、この世にも珍しい楽器の音をお聞きになりたい方はぜひコンサートにおいでください。
いや、私なんかより、プロ中のプロの皆さんの素晴らしい演奏が聴けますからね。私のはオマケということで。
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コメント
初めまして
突然、ご連絡してすみません
実は、ひょんなことからヴィオラダモーレをGETしました
とはいえ、バイオリンを大人になって習い始め約10年の今だ初心者です
さっそく、共鳴弦が切れて困っています
共鳴弦にマンドリン マンドラの弦を使われたとお書きになってますが、どのような弦をお使いになったか、よかったら教えていただけませんでしょうか??どうぞよろしくお願いします
投稿: あーやん | 2014.08.12 22:30
あーやんさん、こんにちは。
ご質問にお答えします…と言いたいところですが、実はどの弦を何番目にというようなことはさだかではありません。
とりあえず安いマンドリンとマンドラの弦を1セットずつ購入し、適当にこの辺でどうかなと張ってみただけなのです。
根がいい加減なもので、大変すみません。
弾く方の弦もディスカント・ガンバの弦などをいろいろ調達して、テキトーに張っています。
ちなみにピラストロから本体の弦セット、共鳴弦セットも発売されていますが、とても高価なようですし、国内だと手に入らないようですね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2014.08.16 14:46
ありがとうございます
音楽も初心者ですし、英語のHP読みこなせる技もなく、ダモーレの弦を日本で求めるのに、どうしたものかと、思ってました
とりあえず、マンドリンの弦、安価に手に入るので、これでいろいろ試してみます
弾けないわが身が悔しいですが、ダモーレの、あのなんと言えない音色、大好きです
いつかヴィヴァルディの有名なコンチェルト、弾けるよう頑張って挑戦し続けます
また、情報あれば、教えてください
ありがとうございました
投稿: あーやん | 2014.08.22 09:17