『日本人はなぜ日本のことを知らないのか』 竹田恒泰 (PHP新書)
今日もまた山中湖で、仲小路彰の直弟子の方と食事をしながら歓談しました。
仲小路の「夢殿の幻」という超(スーパー)聖徳太子論全三冊をお借りしました。ほとんど世に出ていない稀覯本です。わざわざ某所より取り寄せたくださったとのこと。ありがたいことです。
ペラペラとめくっただけでもトンデモない記述が満載。とにかく一気に読んでなるべく私の血肉にしておかねばなりません。ありがたいことに先月の修学旅行で、まさに夢殿の前に立った時のインスピレーションと重なることが書いてあるので、案外にすいすい読み進めます。不思議としか言いようがありません。
さて、今日の歓談の中でも、様々な歴史の裏側の話をうかがうことができました。裏の裏ですね。
そうした裏の裏を知る以前に、我々日本人は自国の歴史をあまりに知らなすぎます。表すら知らない。この本のタイトルのとおり、これまた不思議なほどに知らない…というか、知らされていない。
たとえばこの本の帯にある「自分の国がいつできたのか」という問いにどれくらいの日本人が答えられるでしょうか。
たしかにこんな国はないでしょうね。建国の歴史を学校で教えないなんて。
竹田さんもおっしゃるとおり、少なく見積もっても我が国は二千年の歴史があり、そしてそれは世界中に現存する200近い国の中で最も長い国としての歴史ということになります。第一位。
第二位はデンマーク、第三位は英国で、それぞれ千年前後ということですから、いかに日本が世界に冠たる国であるかということが分かります。
それも、(解釈はいろいろあれど)いちおう単一の王朝が二千年間持続している。また、その間ずっと日本語が公用語として(公用語という観念すらないのが実態ですが)通用している。
世界中探してもそんな国は全くないのです。たとえばそんな基本的なこと一つとっても、日本人はもっと自国に誇りを持っていいはずです。
なのに、それを「あえて」教えない。本当に不思議な国です。そんな(屈折した)謙虚さも、ある種の伝統に根ざしているのでしょうけれども。
その不思議さの原因を戦後GHQのせいにすることは簡単でしょう。しかし、私はその解釈方法に全面的には与したくありません。そのことについてはちょっと前に『閉ざされた言語空間−占領軍の検閲と戦後日本』(江藤淳)の記事で書きました。
最近よく書いているように、また仲小路彰も言っているとおり、過去を過去として、ただのデータとして、その真偽を論争するのではなく、やはりそれを現代的あるいは未来的に解釈することも大変重要だと思います。
たとえば竹田さんのこの本でも「古事記」「日本書紀」といった、いわゆる「神話」が歴史の語る資料として採用されていますが、それらさえも歴史学や文献学、考古学の立場だけではなく、仲小路彰の提唱する「未来学」の見地から読み直していくことが重要でしょう。
もちろん仲小路はそれをとっくの昔、昭和の時代にやっています。それを世に出す、あるいはさらに発展させるのが私の使命であると感じます(畏れ多いことですが)。
そんな未来志向の、日本の歴史観構築のために、竹田恒泰さんのこうした本や講演会などは、素晴らしい入り口となるでしょう。
「未来学」的な因果関係からしますと、今年は竹田さんともご縁ができる予定なので、非常に楽しみであります。
竹田さんのような若い世代にこそ頑張ってもらいたいですね。応援します。
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コメント
こんにちは。いつもよい御本を紹介していただき、ありがとうございます。
「天皇の真実」とともにこの本も探してみるつもりです。
投稿: Fiona | 2013.04.07 20:42