神々を言向け和す(修学旅行3日目京都)
さて、修学旅行三日目です。今日は一日京都。
私の霊的な旅としてもメインの日です。
いろいろあったのですが、かいつまんで写真とともに紹介します。
まずは旅館の近くにあった「六角堂(頂法寺)」へ朝の散歩。京都のへそ(中心)、いけばな発祥の地、そして最近ではパワースポットとしても人気のお寺です。
私としては、やはりここが聖徳太子ゆかりの寺であるというところに興味を持ちます。もちろん、全国どこにでもそういうお寺はあります(月江寺もそうですよ)。しかし、直感としてここは特別な寺だなと思いました。理屈ではありませんが。
新し目なお堂ではありますが、これが太子堂です。太子自作の太子像が安置されています。太子自作の太子像というのも、全国各地にありますね(富士北麓の伝説にも出てきます)。
物部と戦った末に、結局は「和」の精神に至った太子は、こうやっていろいろな形で現代まで生き続けています。
仲小路彰のお弟子さんもおっしゃっていましたが、たしかにどの時代においても太子は日本人にとって超有名人、スーパースターだったわけです。悪く言う人はほとんどいませんね。ある意味時代や地域や思想を超えているのです。実際、古今東西さまざまなモノを吸収和合していましたからね。
ここ京都にもこうして根強い太子信仰が中心に鎮座しているのだなと感じました。
続いて清水寺の舞台の下にある阿弖流為と母禮の碑。
このあと石川五右衛門の墓参りもしたのですが、とにかく日本人は、敵や悪者であってもしっかり供養しますね。まさに「和」「言向け和す」の精神です。
ちょうどNHKでアテルイのドラマやったんですよね。いいタイミングでした。
続いて八坂神社へ。ドラマの撮影などしておりました。
道中にも何かの番組の撮影でいらしていた藤岡弘さんにお会いしました。考えてみれば、仮面ライダーも異形の存在ですな。
そういう意味では八坂神社のパワーもすごい。やはりまつろわぬ内輪神であるスサノヲの力は恐るべしですね。
京都の街というのは、ご存知のとおり、怨念を封じ込めた壮大な装置です。それこそ怨敵の怨念を恐れて建立した寺や神社ばかり。
負のパワーすら、そうして未来的プラスエネルギーに変えていくことこそ、実に日本的であり、聖徳太子的であり、「言向け和す」的だなあと感じました。
そのラインでいくと、やはり「龍神」の存在も忘れてはいけません。我が校の母体である月江寺の本山妙心寺でもそのことを強く感じました。
あの法堂の天井に狩野探幽によって描かれた雲龍図。私は何度目かの妙心寺参拝でしたが、今回は特に強い衝撃と感動を受けました。
ちなみにあれって片目で見た方がいいですよ。独眼流立体視の術の原理で、超3Dに見えます。ぜひ。
日本における龍神の存在というのは、なかなか説明しつくせない複雑さがあります。しかし、たしかなのは、非常に荒々しい存在であるということです。まさに水と火という日本を象徴する自然の恩恵と災害を思わせる存在ですね。
そんな龍をも言向け和すのが日本流なのでしょう。
妙心寺についてはいろいろ書きたいことがありますが、今日はこのへんで。
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