救世観音と弥勒菩薩(修学旅行2日目奈良)
修学旅行二日目。広島をあとにし京都駅経由で奈良へ。
今回の旅の私的メインイベントはここにあります。法隆寺と中宮寺。救世観音と弥勒菩薩。
広島からたくさんの魂を引き連れたまま奈良入り。朝から発熱と頭痛。しかし、それも見事に解消というか昇華されました。
今日も厳選した写真だけ載せますね。まずは夢殿。
夢殿とそこに安置されている救世観音の由来については、あるいは聖徳太子自身についても、ご存知のように諸説ありますが、今回の私はあえて感性で勝負です。非常に素直な受信器になれたと思います。受信機ではなく受信器。
仲小路彰の言うとおり、夢殿というのは、聖徳太子が未来について瞑想した建物であると実感しました。少なくともその場に建てられたものであると。
聖徳太子の思いはまさに「救世」でありました。「和」によって世の中を救おうとした、いや今もしているということを実感できました。それも相当に強い意思です。
ある意味では強すぎるほどに強い。世を守り、世を変え、世を救いたい…その心は1300年以上経っても全く衰えることがありません。
仲小路彰は21世紀には富士山に「現代の法隆寺」を創るべしというようなことを言っていたと聞きました。まさに、平和の発信基地としての国家的施設建設の秋を迎えているのではないかと感じました。いや、感じたというよりも、命じられたという感じです。
ちょっと後ずさりしてしまうほどに強いメッセージであったと思います。
続きまして、中宮寺へ。中宮寺の弥勒菩薩との再会。私はまるで初恋の人に会うような気持ちです。
私がそれこそ中学3年生の時にこの寺を訪問し、この弥勒菩薩像と対面した時の衝撃は今でも忘れません。心打たれました(恋に落ちたとでも言うべきか)。
35年ぶりくらいでしょうか。本当に久しぶりにお会いできました。そして、魂から癒されました。
なんという優しさ、柔かさ、美しさでありましょう。
救世観音の厳しさ、強さとは対照的。まさに女性的な愛のあり方ですね。思わず涙がこぼれました。
そして、気づいたのです。非常に単純なことに。
法隆寺夢殿と中宮寺とは隣接しています。救世観音と弥勒菩薩はほとんど並んで、そして揃って同じ方向を向いているのです。
男性的な救世観音と女性的な弥勒菩薩。まさに陽と陰、あるいは陰と陽でしょうか、いずれにせよ、相和して私たちを守り、私たちに覚醒を促している。そのことに今まで気づきませんでした。
これは私にとっては非常に大きな発見でありました。35年ぶりの再会は実に感動的でした。
そんなことを思いながら、再び夢殿を参拝しますと、未来に光を届ける宝珠の横にぽっかりと月が浮かんでいました。
広島の御霊が天高く昇っていくのが感じられ、私の身も心も軽くなったのでした。
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