『昭和の天才・仲小路彰―終戦工作とグローバリズム思想の軌跡』 野島芳明 (展転社)
今日は昭和の天才の直接のお弟子さん、ほとんど最後の生き証人である方にお会いしてきました。
本当にありがたい(めったにない)ご縁をいただき、私のような者が、日本の歴史を演出してきた昭和の大天才の言霊に浴することができる…まったく幸せなことであります。
そして、その御恩に報いるべく、私はこれからしっかりお役目を果たしてゆかねばなりません。
今日のお話にもありました。私たち凡人の数倍上を行く天才が数倍の努力をしていたのです。それも強烈な「人類愛」に基づく崇高な努力。
でありながら、仲小路彰の名前はほとんど世間に知られていません。知られることを望まなかったのです。しかし、たとえば、佐藤栄作や松下幸之助、あるいは加藤登紀子にとっては忘れられない存在でしょう。
仲小路彰は昭和19年から59年までの40年間、山中湖畔に独居しました。そこを訪ねた政治家、文化人、実業家、そして地元の人々は多数。しかし、その生涯や功績はなぜか歴史の裏側に隠されたままです。
ほんの一つだけ、今日うかがった「事実」の一部を書くならば、あのノーベル平和賞受賞は、仲小路彰の代わりに表舞台で佐藤栄作が受賞したものです。
…いったいどういう人物だったのか、皆さんも気になることでしょう。しかし、その全貌はいまだ明らかになっていないですし、彼の哲学や思想や政策が、21世紀の我々にはまだまだ理解できない部分があるとも言えます。
それほどに深く広いのです。この世界に足を踏み入れてしまった私は、正直、富士の樹海に迷い込んだような気分であり、時々木々の間から見える頂を頼りに歩けども、なかなか視界が開けるところまでたどりつかない。
しかし、もう後戻りはできません。前に向かって歩んでいくしかないと覚悟しています。
この本で紹介されているのも、仲小路の功績の一部なのですが、それだけでも大変なスケールになります。
大東亜戦争は目的を達成したのであるから即刻終結させるべきである、もうすぐ米ソの衝突が始まるから、それに備えて日本は力を蓄えねばならない…それを当時の実力者たちに奏上し、不幸なタイムラグはあった(原爆投下などがあった)ものの、結果としては実際に日本をそのような方向に持っていったのも彼であったと言えます。
そして、戦後すぐに(昭和22年には!)「グローバリズム」を提唱し、日本発の全地球主義、球体としての地球文化創造に邁進します。
もちろん、その「グローバリズム」は、現今の経済市場のグローバリズムとはスケールが違いすぎます。全く逆と言ってもいいかもしれません。
ある意味では出口王仁三郎の目指した「みろくの世」に近いかもしれない。しかし、仲小路の言葉たちは、もっと具体的で現実的で政策的なのです。
資本主義、共産主義に続くのはその「グローバリズム(地球主義・福祉経済)」しかない…彼は弟子たちに力強くそう語ったと言います。そう、彼は「国富論」「資本論」に続く新時代の経世済民のバイブルを書き残したのです。
それ以前に、彼の歴史に関するすさまじい知識と考察に圧倒されます。世界史、日本史のあらゆる時代、地域、文化に異常に詳しいというだけでなく、それを俯瞰的に統合しているところに、その天才性を見ます。
特に「戦史」「戦争文化史」についての考察は、ほとんど世界無二のレベルです。戦争は必然的文化であるからして、平和も文化たるべきである、戦争反対だけでは平和は獲得できないという考えには、私も大いに刺激を受けました。
彼が残した膨大な書き物は、一部は出版されましたが、大半はGHQによって没収、焚書の憂き目に合いました。それを予期した彼自身も、山中湖畔で随分多くの自著を薪代わりにしてしまったそうです。
それでも、残るところには残っているのです。ここではその場所や内容については語れませんが、それがこの21世紀に再び日の目を見ることになりそうです。
王仁三郎は100年したらワシの言ったこと書いたことが解ると言ったそうですが、なんと仲小路彰は「500年後」と語ったとのこと。
そして、今、たしかに彼の「予言」は全て的中しています。予言という言い方を彼自身は好まないでしょう。あくまでも冷徹な分析と予測の結果ですから。
しかし、私たちからすると、それは予言のように感じられます。逆に言えば多くの聖人、賢人たちの「予言」や「預言」の本質が、そこにあるのだということも教えられますね。
仲小路彰は、富士山を真の「大和」の心の表徴としてとらえ、そしてまたそれを世界に発信するイコンとして機能させることを目論見ました。その「働き」がいよいよ動き出しました。私自身の後半生ももしかすると彼によって計画済みなのかもしれません。
今後この場でも良き報告ができるよう精進いたします。
あっ、大切なことを書くのを忘れていた。仲小路彰は作曲家としても数千曲の歌曲を残したそうです。その発掘、整理、再演、出版などもやっていきたいと思っています。
Amazon 昭和の天才・仲小路彰
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コメント
山口さん初めまして。
私は横浜市在住の主婦です。
パナソニックの派遣事務をしています。
無知な普通の主婦です。
単刀直入に申し上げますと、私の兄は
海上自衛隊幹部学校にて、
英王立国防大学留学を済ませ、
帰国して半年くらいが経ちます。
兄が仲小路彰を知っているかわかりませんが、私と
山口さんと繋がることで何か国や平和のお役に立てればと思いました。
ご連絡を頂ければ幸いです。
投稿: フジコ | 2015.02.08 10:52