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2013.01.09

『ブッダの真理のことば・感興のことば』 中村元 (岩波文庫)

20130110_134805 教を学ぼうとする時の絶対的基本文献です。
 最初にこれを読むべきかどうかは別の問題として、ここをベースに日本の諸仏教や他教を眺めると、いろいろなことが分かってきます。
 ブッダの教え自体は宗教ではありません。あくまでも智慧です。非常にシンプルで素朴な言葉です。
 まるで自然界の仕組みのようにシンプルで素朴、かつ難解で奥深いのです。
 そして、そんなダンマパダとウダーナヴァルガという原始仏教の経典を、これほどまでにシンプルで素朴、かつ難解で奥深い日本語に翻訳された中村元さんの偉業に敬意を表します。
 どこを何度読んでも、毎回発見があります。
 今、私はオリジナルな時間論を構築中です(「時間は未来から過去へと流れている」とも少し違ってきています)。
 そこで今回は時間論の観点からこの原典を読み直しているのですが、本当にいろいろなことを教えてもらっています。
 もしかするとブッダと同じように時間を感じているのではと思える瞬間があるのです。もちろん、それは一刹那で、気づくとまた離れていってしまうような感じがするのですが。
 しかし、パッと開いた所を読むと、必ず学びがある、すなわち新しい発見があるのです。
 ほとんどが喩え話であり、あるいは抽象的な言葉遣いであるわけですけれども、だからこそでしょうか、ただ知識を受け取るという感じではなく、私の理性や感性の背中をちょんと押してくれるというか、自らつかむきっかけを与えてくれるんですね。
 ああ、これが師弟関係なのかな、教育なのかな、などと遅ればせながら痛感しているところです。大村はま先生の「仏様の指」の話を思い出してしまいましたね。
 ダンマパダとウダーナヴァルガ、どちらもブッダが語ったと言われる言葉を弟子がのちに書き記したものですが、不思議と双方でだいぶ受ける感じが違いますね。
 私はヴダーナヴァルガ(感興のことば)の方を眺めるのが好きです。眺めているだけで、頭や体や心が暖まってくる感じがします(というより、実はお風呂で湯に浸かりながら読んでいるのです…笑)。
 こんな大切な仏典を「眺める」なんていうのは不謹慎かもしれませんね。しかし、やはりあまり「言葉」自身にこだわらない、あまり研究的態度にならない方が、私には効果があるようです。
 「仏教」の教えを学ぶというよりも、よき師から慈愛のことばをかけてもらっているような気持ちでいた方が、実はこれら原始仏典の本当の価値が分かるのではないかと、私もそれなりに年をとってようやく直感してきたような次第です。
 皆さんもぜひ、常に身近に置いて、そして文章を「理解」するのではなく、まさに「真理」に触れて「感興」を催してみてください。
 しかし、中村元さんはすごいなあ。中村さんがいらっしゃらなかったら、現代日本人はもっと誤った道に進んでいたかもしれません。
 ちなみに天才バカボンの「ハジメちゃん」は中村元(はじめ)さんの名前にちなんで付けられたとの噂も…赤塚不二夫さんならあり得ますね(笑)。

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