尖閣諸島の根本的問題(?)
石垣市が「尖閣諸島開拓の日」の記念式典を催しました。
「竹島の日」は見送りになりましたが、尖閣の方は警備監視強化など、かなり「攻め」の姿勢を示している日本政府。
対韓、対中政策の違いが徐々に明らかになってきています。まあ、これは当然でしょう。相手の出方や性質に合わせてこちらの出方や性質を変えるというのは外交の、いや人づきあいの基本でしょう。
今日1月14日を、条例で「開拓の日」としたのは3年前のことです。領土問題で中国との衝突があってからのことです。
なぜ、この日なのかというと、明治28の今日、尖閣諸島を日本固有の領土として編入することが閣議決定されたからだそうです。
日本政府は約10年間にわたり尖閣諸島を調査し、どこの国にも属さないことを慎重に確認した上で、明治28年に閣議決定しています。
以来曲折はあったものの日本国の実効支配下にあったというのが国際的に一般的な認識だと思いますから、私も当然「尖閣諸島」は日本の固有の領土であり、中国との間に「領土問題」として存在していないという立場をとります。
ただし、中国(や台湾)側の言い分ももっとちゃんと知りたいですね。明治28年と言えば日清戦争末期です。戦況は完全に日本に傾き、そろそろ講和会議が始まろうかという頃ですからね。向こうとしてはそんな中での閣議決定なので文句も言いたくなるのでは。
ま、領土ってのは戦勝国が敗戦国からいただくというのが基本ですからね、文句言ってもしょうがないし、もともと清国のものではなかったようなので、やっぱり単なるいちゃもんレベルだと感じます。
さて、今日はそういう歴史的なこと、あるいは法的なことではなくて、ある意味でもっと根本的な問題について書こうと思っていたのでした。誰も言っていないことです。皆さんにとってはどうでもいいかもしれないけれど、私にとってはけっこう重要なことです。
「尖閣諸島」という名前についてです。
この名前がよくない。
なぜなら「音読み」だから。どうも親近感がわかない。「魚釣島(うおつりじま)」や「竹島」なら「訓読み」だから、つまり和語だから日本古来の島という感じがするが、漢語だとなあ…。
以前から、なんでだろうと思っていたんです。自分の生理的感覚として、「竹島」はウチのものだけど、「尖閣諸島」はもしかして隣のウチのものかもしれない、というのがあったんです。
そんなくだらない…じゃあ「東京」とかどうすんの?と言われそうですね(笑)。
まあ、そうなんですけど、実は小学校時代から、あの北方四島ですね、あれもなんとなく自分のウチのものではないような気がしていたんです。
つまり、あれは漢語とかロシア語ではなくて、やっぱりアイヌ語であって、私の知っている日本語、和語、大和言葉、雅語ではないと。直感的にそう思っていたんです。
いや、もちろん、だからその言語の持ち主に返せとか、そういう単純なことではありませんけど、どこかそういう「生理的」な、あるいは「言霊的」なモノがあるような気がしてならないんです(私だけかな)。
ちなみに、「尖閣諸島」という名称は中国がつけたものではありません。wikiによれば、
「尖閣諸島」の名称は、日本政府からこの島を無償貸与された実業家の古賀辰四郎の依頼により、1900年(明治33年)5月に当地を調査した高知県出身の教師、黒岩恒が命名したもので、島の尖っている形状と「イギリス海軍水路誌」にある "The Pinnacle Islands" の意訳に由来する。
とのこと。黒岩さんがもう少し気を遣って、和語の名前をつけてくれればなあ。せめて魚釣諸島とか…。
こんなことを言ってもしかたありませんね。でも、日本固有の領土を主張するのに、日本固有の言葉が使えないというのはなんとなく矛盾していると、私は思うのであります。
ま、こんなこと言ったら、欧米列強の植民地政策で奪われた島々の名前も問題にしなくてはなりませんね(笑)。
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コメント
>やっぱり単なるいちゃもんレベルだと感じます。
イチャモンだから拗れるのでしょうね。理屈対イチャモンでは最終的に話し合いにならず、済まされないでしょう。中国は膨大な国民を食わして行かなければなりません。海洋資源は喉から手が出るほど欲しい。その為にはなりふり構っていられません。食うや食わずで窮している中国はやっかいな相手です。
投稿: LUKE | 2013.01.16 15:09