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2013.01.07

『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法』 池谷裕二 (新潮文庫)

20130108_124523 「間の記憶力はあまりよくない。そのおかげで創造性が高いんですよ」…先日、著者の池谷さんとお話した時にそう教えられた私。妙にうれしく自信が湧いて来ました。記憶力のなさに関しては自信がありますからね(笑)。
 今をときめく脳研究者の池谷裕二さんによる「勉強本」。非常に面白く有用でした。
 もちろん、私も学校の先生という立場ですから、生徒に勉強法を伝授する際に大いに役立ちます。
 しかしそれ以上に、自分の「研究」生活に、いやこれからの人生に役立つかもしれないと感じました。
 先ほど書いたように、私の「脳」はあまりメモリーの性能がよくないので、それをカバーするためのテクニックというか、知恵というか、そういうものが重要だと思っていたわけです。
 若い頃は自分の記憶力のなさについてある種の劣等感を持っていましたが、最近は生来の頭の悪さに加えて、「ボケ」の症状が出始めてきたので、これはもう諦めるしかないなと感じていたところでした。
 しかし、こうして記憶にはコツがあることを教わると少し安心しますよね。
 実際そうしたテクニックの重要性も分かりましたが、想定外の効能もあったんですよ。それは「睡眠」という最終兵器、あるいは得意技への気づきです。
 というか、最近はやたら寝てます(笑)。以前は6時間寝れば充分だと思っていたのに、近頃は8時間とか9時間とか平気で寝られるようになりました。
 そうしたらですね、記憶力の向上はあまり感じられませんが、なんというか、発想力というか、ひらめき力、あるいは一種の霊感のようなモノはたしかに調子がいい。
 最近は「時間論」のような抽象的で哲学的なことを考えることが多いので、特に睡眠の恩恵は大きいんですよね。
 布団の中で考えだすとすぐに眠くなって実際すっと眠りに落ちる。そして、朝起きるとパッと答えが出ている。こんな楽チンな発想法があったのかと、まあ嬉しくてしかたありません(笑)。
 それだけとっても、池谷さんの話を聞いたり、この本を読んだりした価値があったということになりますね。
 ちょっと前までは寝すぎてしまうと、なんか罪悪感や、それこそ劣等感に苛まれていましたけれども、今は堂々と寝坊することができるようになった。それはそれは幸福です。
 たぶんですね、この50年くらいでですね、ただでさえ無能な脳に、けっこう無理やり知識を詰め込んで生きてきたと思うんですよ。それも、日常生活と一緒で全く整理しないできた。
 今、ようやく整理する時を迎えているのかなと。それも「寝る」という方法で。実はそれがちょっと快感です。
 というわけで(?)今度、ぜひ私の脳を研究してもらいたい。被験者になりたいですね。私って変わってるじゃないですか。
 池谷さんも科学的に興味を持っているであろう、音楽、オカルト、宗教、超能力、霊感なんていうモノについて、私はもしかすると最高の被験者になるかもしれない(笑)。
 私のライフワークである「モノ・コト論」にも「脳」は大きく関わっていますしね。
 ぜひよろしくお願いします。私の人生をより楽しくしてくれたお礼に、我が脳を無償で提供いたします。

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コメント

面白い本を教えていただきました。
有難うございました。
泣いたり、笑ったり、楽しく読めます。
回路が繋がればいいですが、波はまだ来ていなかった。

モノコトが積もり積もった雪野原
地下茎のばし春待つナルコユリ

投稿: なるこゆり | 2013.01.11 20:18

「受験脳の作り方」おもしろかったです。
やはり、メディアの本質を支えるものは国語力ですね。
どんな素晴らしい考えや発見をしても、記録したり伝えるためには国語力がいる。そして受け取る私にも・・・
こうして私がこの本に出合えたのも、先生のような発信者がいて、インターネットというシステムがあるからなんですね。感謝です。

投稿: tadataka | 2013.01.27 18:11

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