2013年度センター試験国語
やっと解く時間を得ました。
毎年楽しみにしている方々には申し訳ありませんが、今年はあんまりツッコミどころがありません、入試問題としては…。
そんなわけで、今年は面白いこと(過激なこと?)が書けません(笑)。
もちろん、第1問に小林秀雄が出たというのは、これは大ニュースであり、個人的にはツッコミまくりたいところであります。
しかし、あくまで今までの流れで、客観試験として設問がどうかという点で評価すれば、まあ最近では最もいい問題だったとも言えます(おかげで珍しく満点とれました…80分以上かけてますが)。
教え子たちはどうも今年の問題には大変苦戦したようです。もともとセンターの国語は時間との勝負。今回のようにテキスト量が多いと純粋に読解に時間がかかり、結果として本文と選択肢のつきあわせの精度が落ちます。焦れば焦るほど機械的な作業ができなくなるんですよね。
まあ、いきなり小林秀雄ですから、ビビったでしょう。私たちも油断していました。
小林秀雄というと古い世代にとっては現代国語の、そして入試問題の定番と言われていましたが、あれはいわゆる評論文(論説文・説明文・一般向け論文)ではなく、「文学的」な批評文、どちらかというと随想、随筆、エッセイというジャンルに入れたくなるものですよね(私は「小林秀雄」というジャンルを設定していますが…笑)。
実は私は小林秀雄があまり好きではないんですね。これは、今回久々に精読して再確認したんですが、父親に対する息子の感情みたいなものですね。そう、似てるんですよ、自分に(笑)。
いや、もちろん私と小林秀雄を似ているなんていうのは失礼で恥知らずだと分かっていますが、今思うとやっぱり多大な影響を受けているんですよね。高校時代ずいぶん真似しちゃったのです。
人と違う感性(思いつき)をそれらしく表現したり、さりげなく世間一般を見下したり、結局自慢話だったり(笑)。
特に今回は「鍔」の話、さらには甲府やら杖突峠やら高遠やらが舞台になったり、高坂弾正や田辺尚雄が出てきたりと、ま、今のワタクシにとっては実に馴染み深い内容でしたから、正直面白く読み進むことができました。
しかし、これが高校時代のワタクシだったらどうかというと、やっぱりきつかっただろうなと思います。わけわからんねえ〜!と叫びたくなったかもしれません。
その辺の基礎体力の違いというか、ある種の温度差が、生徒に教える時の難しさなんですよね。口が滑っても「今回は良問ぞろいで点が取りやすかった」とは言えない…。
正直私も80分で全部解くとなると、古文の最後問六は間違えたかもしれません。非常に面倒な(時間のかかる)問題でした。
小説はテーマをつかめば流れで解答できるような、いつものパターンでした。そのテーマを掴み損ねると大失点するタイプですね。ま、もともと小説は出すな!が私の主張です。詳しくは去年の記事からいろいろ見てみてください。
古文と漢文については受験知識とテクニックである程度は取れる問題でした。決して簡単ではなかったけれども、それぞれ正答の根拠は文中および高校での学習内容の中にあったと思います。
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