兼六園のヤマトタケル像の不思議
山中さんがノーベル賞授賞式で緊張している頃、私は東京でちょっとした講演をしてきました。得意の「時間は未来から過去へと流れている」という時間論と、これも長くやってきた「モノ・コト論」を中心に要点のみ話させていただきました。
ちょっとした講演ではありましたが、内容はこれからの日本の行く末を左右する重大な内容であったと思います。(イグ)ノーベル平和賞ものです(笑)。
おかげさまで皆様に興味を持っていただき、話が出版やらシンポジウムやらに発展…さあ来年も面白いことになりそうです。
私以外の講演者のお話も大変に面白かったのですが、詳細はまた別のところから別の形で発表されると思います。
さて、そんなこんなで盛り上がった集会のテーマは「言向け和す(ことむけやはす)」でした。
古事記にも出てくるこの古い言葉に、非暴力、無抵抗による紛争解決、平和実現の手段のヒントが隠されています。
倭健命(大和武尊・ヤマトタケルノミコト)は、父である景行天皇に東征を命じられます。その時の手段が「言向け」と「和し」でした。西征がどちらかというと暴力的であったことから、古事記では対照的に言葉に代表される「コト」の力によって平和的に平定していったことを強調する記述になっています。
その辺についての私の解釈は後日に譲るとしまして、帰り道でふと思い出したことがあったので記しておきます。
実はですね、かの兼六園に、明治13年に建立されたヤマトタケルの銅像があるんですよ。それが、イグノーベル賞(化学賞)の受賞研究対象になったんですよね。2003年に金沢大学の廣瀬幸雄さんが受賞しました。「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」という研究です。
そう、この銅像、実に不思議なことに建立以来130年以上にわたって、全くといっていいほど鳥の糞害に合っていないのです。上野の西郷さんなんか糞だらけですよね。
それを廣瀬さんはですね、ご自身が大学生として金沢大学に入学した時の、いわゆる新歓コンパの時に気づき、そして、30年近く経って金沢大学の先生となってその謎を解明したというのです。もうその時点でイグ・ノーベルですよね。
で、なぜ、鳩などの鳥が近づかないのか…そう、実はこのヤマトタケルさんは、見事にまつろわぬ鳥どもを「言向け和し」ていたのです!
なんでも成分分析したところ、普通の銅像よりもヒ素や鉛の含有量が多かったそうな。かと言って、ヒ素のような毒を察知して鳥が集まらないのではない。その微妙な異種金属の配合が、ある周波数の電磁波を発生させており、それがなんと鳥たちの嫌う波動であったということらしいのです。面白い。
まさに、非暴力主義…いや、鳥たちにとっては暴力なのかも(笑)。
まあ、とにかく鳥を傷つけることなく、また自分も汚れることがないという、ある種の平和な状況を作り出していることはたしかです。
たしかに人間にも、人をよせつけないオーラというか波動を出している人、その逆の人、いろいろいますよね。波動とかいうと非科学的な感じがしますが、たしかにそういうものはある。今日もブレインストーミングの中で申し上げましたが、音楽や座禅をしていると、明らかにそういうことを体験できます。
面白いですね。「コト」は言葉だけではありません。いろいろな意味、分野から「コト向け」と「和す」を考えていくと面白いでしょう。今日はそんなきっかけができた良い一日でした。皆さん、ありがとうございました。
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