神事としての餅つき(プロレスラーを交えて)
「マヤの預言(の風説)をぶっとばせ!」というワタクシの口上で始まった我が中学の餅つき大会。
実に楽しい充実した時間となりました。
先ほどの口上は「田力男の尊」たちを迎えるための祝詞であります。もうちょっと現実的に申しますと、ワタクシがリングアナウンサーとなって、つき手であるプロレスラー3人を迎え入れたのであります(笑)。
いや、やっぱりもっと奥深い意味を書こう。
本校では今年度3年生が米作りをしました。畦作りから始まって、田植え、草取り、そして稲刈り、新嘗祭を経て、最後の行事としての餅つきを今日行なったのです。
体験教育の一環ではありますが、あくまでも伝統文化、あるいは宗教的な意味合いも「感じて」ほしいと思っての一連の作業、行事でした。天地とつながり、天地の恵みに感謝する、そんな当たり前のことを、理屈ではなく体と心で体験してほしい。
餅つきは言うまでもなく、本来は収穫を祝い、自然の恵みに感謝し、来年の五穀豊穣を祈り、また、家族や村などのコミュニティーの絆を確認する大切な神事でした。
もちろん日本中の餅つき行事には、いろいろな習慣がありますし、当地の餅つきもなかなか独特の文化を持っているのですが、今日はとにかく、子どもたちの純粋な魂とそれを囲む大人たちの祈りと願いを集結しようと思いましたので、ワタクシ流のやり方をさせていただきました。
現代の「タヂカラオ(手力男・田力男)」と言えば、力士やプロレスラーでしょう。いや、今や屈折してしまった相撲界よりも、プロレス界の方がある意味では純粋な日本的神性を継承していると言えるでしょう。
今日来ていただいたレスラーの中には、元十両霧の若、将軍岡本選手もいました。彼なんかその象徴的な存在ですよね。
そう、今日はアントニオ猪木さんの団体IGFで活躍する若手レスラー3人に来ていただいたんです。鈴木秀樹選手とは数年前からのお友達でしたし、澤田敦士選手はウチの学校の柔道部顧問である矢嵜雄大先生の可愛い後輩です。そんなご縁もあっての今回の招聘の実現となりました。
もともとは3S、すなわち鈴木、澤田両選手に加えて鈴川真一選手をお呼びしようと思っていました。しかし、鈴川選手は大晦日の大会であのミルコ・クロコップと対戦するということで、急遽オランダに修行に行くことになりまして、それで将軍岡本選手が来ることになったんですね。
正直、それで喜んだのは私だけではありません。相撲マニアの生徒も元霧の若関のことが好きだったので、こんなラッキーなことはなかったのです。
塩とお酒で場を浄め、生徒みんなで二礼二拍手一拝をしてから、富士山に向かって杵を振りました。
田力男たちの杵さばきもさすがでしたが、生徒みんなが杵を持ったことにも深い意味があったと思います。子どもの力と神の力が共鳴した瞬間でした。
いやあ、それよりもなによりも、男の子たちが果敢にも(無謀にも)レスラーたちに立ち向かっていく様子に安心、感動しましたね。
そういう体験が少ないじゃないですか。思春期の男の子のエネルギーでぶつかってもビクともしない大人の男の存在。ぜったい大事ですよ。
きっと彼らにとって忘れ得ない感覚になったことと思います。言葉では伝えられない、私たち教師では伝えられない「モノ」です。
保護者の皆さんも忙しい中駆けつけてくださり、子どもと田力男のついたお餅をちぎり、味付けをしてくださったり、豚汁をふるまってくださったり、本当に場が一つになっていたと思います。ありがとうございました。
たしかに準備も片づけも大変でした。しかし、こういう無理、無駄、無謀、経済効率だけではとらえきれない「モノ」は、どんどん排除される時代になっています。ここ富士山麓の田舎でも、臼と杵で餅つきをする家庭は少なくなっていると聞きます。
つまり「コト」にとらわれて、「モノ」が捨てられていく時代なんですよね。
大人の事情(コト)で、子どもからこういう体験(モノ)を奪ってしまうのはいけません。もちろん学校もそうです。我が校では、これからもこうした体験を大切にしていきたいと思います。
3人のレスラーさんをはじめ、皆さん、本当にありがとうございました。
IGFのホームページで紹介していただきました。
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