三陸沖アウターライズM7.3が発生(予測失敗の原因)
大きな被害がなくてよかった。これは、予想される、3.11の最大余震たるM8クラスのアウターライズ地震につながるものでしょう。
気象庁の発表では、3.11当日以来2回目のアウターライズ地震ということになっていますが、私は今年3月14日の地震もアウターライズであると判断していましたので、3回目という認識でいます。
アウターライズや最大余震については、その2012.3.14の記事に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。
さて、今回の地震については、正直私は予測していませんでした。ツイッターで発信していた最新の予測は次のとおりでした。
(12/5)『11/28ボトムで+10ベクレルの山と見ることもできますね。そうすると来週の半ばから注意期間に入ります。関東北部・東北南部の中規模余震と考えられます』
つまり結果としては、予測と比べると数日早い、そして大規模な発震となったということです。
はっきり言って、これはグラフの読み間違いであったと思います。今となってみれば見落としです。今後の予測精度向上のために読み直しをしてみます。
7月から今日までの富士山ラドン濃度グラフをご覧ください(click!)。
上記の予測は、あくまでも11/28を登山口とした最新の山だけを見たものでした。ですから、もしかすると、来週のなかば以降、その予測通り中規模余震が発生するかもしれません。
問題は、その前の大きな山を無視してしまったことです。こんな基本的な間違いを起こすなんて、自分としても恥ずかしいし悔しい…忙しすぎたのかなあ。
ご覧のように11/8の32ベクレルをピークに緩やかながら大きな山が築かれていました。30ベクレルを超えるのは5ヶ月ぶりのことでした。
もちろんその時は東北余震を次のように予測していました。
(11/9)『28日の急上昇に対応する富士山50キロ圏内の小規模地震、その後の緩やかな上り坂に対応する東北の中規模余震の注意期間に入りました』
しかし、それに対応するような規模の地震は発生しないまま(11/9の福島沖M5.5と11/16千葉東方沖M5.5のみ)、次の小山を築くことになりました。つまり空振りだったわけです。
空振りだなあという認識はありましたが、そういうこともあるのかなと思いながら、ついつい次の小山に気を取られてしまったというのが実際のところです。
結果としてはこの大きな山に対応したのが、今回のアウターライズM7.3であったということです。
こうした間違いが起きた原因として、「登山口(ボトム)から2〜3週間後に発震する」という経験則にとらわれすぎたことが挙げられます。そこには妙な自信があったのも事実。
よく言われるように、規模が大きな地震の前兆ほど長く続くというのは事実かもしれません。違う言い方をすると、大規模地震ほど前兆から時間を経て発生するということです。
今後はこの経験を活かして、さらに予測の精度を上げたいと思います。「空振りは注意」ですね。
これからもツイッターで毎日の富士山ラドン濃度を発信しますので、皆さまも予測にご協力ください。一人の目だと限界があることがよく分かりました。よろしくお願いします。
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コメント
初めてコメントします。不躾なコメントにて大変失礼します。青森のMと申します。
ところで先生は「寒試し」をご存じでしょうか。
古来、農家が寒の入りから立春までの約1か月間を365日に相当させて年間の
天気を予想した、というものです。私は今でもそれを実践して天気予想を
します。現代では観測機器を使って1か月の気温と湿度の変化を見ています。
気温が上がれば湿度は下がるのが普通です。
ところが、今年の1月9日の午後には、気温の変化はほとんどないのに、
湿度が20度前後で上下を繰り返しているのです。
気圧の変化や水蒸気量の変化などがあるのかもしれませんが、
それにしても奇妙な動きでした。その時間帯を1年に換算すると
3月上旬になります。過去には何らかの気象・自然現象の変化がありました。
竜巻が発生したり、爆弾低気圧がきたり、集中豪雨になったり。
また、かつては中越での2度の地震、3・11と3・9の地震もそれらしき
気温と湿度の妙な動きがありました(青森にはそれほど影響はありませんので
ごく微妙な波形ではありますが)。
もちろん、この観測は全く非科学的かもしれません。
しかし、昔からの経験知であるのは確かです。
参考にもならないかもしれませんが、先生はどうお考えになりますでしょうか。
投稿: musubore | 2013.02.08 09:52