『メディア症候群』 西村幸祐 (総和社)
今日は久々に「赤旗」を熟読しました。まあ不思議なもので、昔はあれほど毛嫌いしていた共産党が、今となっては、実にまっとうな「保守的」な政党に感じたりして(笑)。
実際、筋の通った政党ということでは随一とも言える。もちろん、その主義主張と名称とのギャップやら、歴史的な整合性のなさなどいくらでも指摘できますけどね。
でも、他の政党があまりに根なし骨なしだからでしょうか、なんだか立派に見えてくる。そう、将来的には自民党と共産党の二大政党時代が来てほしいと思いますね。
で、私は二元論には陥らない多元主義者なので、「赤旗」を読んだあと、この本を読んでも全然違和感がないのです。
そう、「赤旗」もこの本も「メディア」ですね。それもかなりバイアスのかかったメディアです。いや、メディアとは全てそういう存在です。
「モノ・コト論」にこだわる中で、メディア(ミーディアム)については、その霊的なものから現代的なものに至るまで、非常に、いや異常に興味をもって研究してきましたから、今日のような荒技というか、飛び道具を難なくこなすことができるようになりました。
そうしますと、世の中があまりにメディアに惑わされ、あるいは洗脳されて動いているかが、よく分かります。自分の勤めている「学校」なんていうのも、そういったメディアの集積場、あるいはメディア自体の権化とも言える存在です。
そういう意味では、私自身もまたメディアであり、このプログももちろん私というバイアスのかかったメディアであります。
つまり、自他で構成されるこの世界は、今も昔も変わらずメディアどうしが結束するネットワークなわけですね。その中で、いかに自己の立ち位置を作れるか、あるいは、自己を中心としたネットワーク…いや、自己中心的という意味ではなくて、視点が中心にあって全体を見渡すことができるような自己を確立するというのが、私の人生の目標の一つであります。
ま、まだまだ漂い続けてますがね。漂い続け、あるいは溺れてもあがき続けることによって、結束の装置たる「縁」が増え続け、そうして「文脈」が形成されてゆき、自分の意味が確定していくような気がしています。
そのためには、今はあまり自分の居場所を決めつけないことです。こうして保守の論客(メディア)によるメディア論に触れるのも実に面白い。バイアスのかかりまくった反日メディアを糾弾する保守メディア、それにかかっているバイアスを想像するのも楽しいものです。
今日、ニコニコ生放送で党首討論が中継されましたね。それを見ながらいろいろ考えました。
ネット社会は、限界を露呈した既存メディアに対立するものではなく、やはりその延長にあるなと。旧メディアの受け手が、ただこちら側に移ってきただけだなと。
今度の選挙に、TwitterやFacebook、YouTubeやニコ生、そして、もう旧メディアとなってしまったかもしれませんが2ちゃんねるなどが、どれほど影響を与えるでしょうか。
受け手の表現の場が増え、匿名性に基づく(とりあえずの)自由が広がれば、そこにはより強いバイアスの影が現れます。責任の所在の不明瞭な、そして自己中心的な、いわば「偏向」した個人的「報道」が跋扈し、より物語的な共同体が作り出されていきます。
それが、はたして旧メディアの時代(それは太古から平成までを含む)に比べて、高次元なものなのか、私たちをより幸せにするものなのか。それは微妙ですね。
しかし、それも含めて時代の流れであり必然であるととらえるなら、今度の選挙の結果もまた必然なのかもしれません。全ての「結果」は「スタート」であり(果実は種であり)、大局的に見れば「過程」であるわけですから。
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