『あなたは英語で戦えますか…国際英語とは自分英語である』 鈴木孝夫 (冨山房インターナショナル)
今日はコロンブス・デー。1492年コロンブスがアメリカ大陸を「発見」した日です。
この「発見」にはいろいろな問題点がありますが、この本で鈴木孝夫さんは、ヨーロッパ人がいろいろな場所の現住民を人間と思っていなかった証拠として、この「発見」のことを非難しています。せめて「到達」と書くべきだと。
もうアメリカ、イギリス中心の世界観や英語観は捨て去りましょうというのがこの本の中心的なテーマになっています。
特に英語に関しては、英語ネイティヴの英語を追っかけるのは全く意味がなく、自分流、つまり日本人なら日本人流の英語でいいではないか。言葉の外見的なこと(たとえば発音)はもういいから、語れる内容や態度や心構えを持とうと。
通じればいい。そのためには「English」ではなくて「Englic(イングリック)」でいい。もうそれを何十年も主張し続けているのが鈴木孝夫さん。
ちょうどこの前の出口光さんの講演も同じ内容でした。
私は鈴木孝夫さんに実に大きな影響を受けています。言語学や社会学はもちろん、国家観や歴史観、ライフスタイルに至るまで、実は最もリアルに真似をしているかもしれません。
最近ちょっとご無沙汰でしたが、今までも次のような本を紹介してきました。
『英語はいらない!?』
『日本・日本語・日本人』
『日本人はなぜ日本を愛せないのか』
『私は、こう考えるのだが。―言語社会学者の意見と実践』
『対論 言語学が輝いていた時代』
『日本語教のすすめ』
この本は、一番最初に紹介した「英語はいらない!?」に加筆修正を加えたものです。前半というか縦書き部分はほとんど「英語はいらない!?」と同じ内容です。
私は7年ぶりに読んだので、復習するのにちょうど良かった。今の方がずっとすっきり理解、共感できたと言えましょう。
そして、左開きの、つまり後半の横書き部分は今回新たに足された内容。そこが実に勉強になった。鈴木先生自身による「国際英語は自分英語である」、そして「鈴木孝夫流英語(こなれたイングリック?)」で書かれた(発表された)講演の内容、さらに青山学院大学の「アジア英語」研究家、本名信行さんによるスーパー解説。
ぜひ皆さんには読んでいただき、英語コンプレックスというか、外国人コンプレックスを払拭してもらいたい。私は鈴木先生のおかげで、最近は単語を並べるパワーイングリッシュで堂々と話せるようになりました(笑)。話したいこと、特に日本については、それなりに知識と体験がある人間だと思っているので、すごく助かりました。
私と鈴木孝夫大明神(とっても偉大で明るい神なので…笑)との間接的な出会いの瞬間は、たぶん皆さんと同じく高校の国語の教科書かなにかで歴史的名著「ことばと文化」を読んだ時だと思います。
そして、直接的な出会いは7年前でした。本当にひょんなことから、なんと我が村の某所で一緒にお酒を飲む機会が巡ってきたのです。
思えば、あの頃から我が夫婦は「突撃力」を身につけたのだと思います(笑)。大明神との出会いから、様々な「神」との出会いが始まったと言えます。
この写真、何がすごいって…私に髪の毛があるのがすごい!wwwww
それはいいとして、鈴木孝夫大明神、本当に博覧強記、教養はもちろんユーモアも抜群、世界的に名を残す人というのはこういうレベルなんだなあと痛感しました。
この時以来すっかりご無沙汰しております。お元気でいらっしゃるでしょうか。
ぜひまた一度お会いしていろいろお話したいと思います(と書くと最近実現するんですよね)。
Amazon あなたは英語で戦えますか
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