追悼 桑名正博
あまりに早すぎました。脳幹出血で倒れ、意識不明に陥ってからの頑張りも空しく、59歳で亡くなってしまいました。
私にとっての桑名正博はまさしく「ロッカー」でありました。裕福な家に生まれ、苦悩の青春時代を送り、華々しくデビューを飾り、スキャンダルにまみれ、派手な結婚と離婚を経験し、その後は実業家として地道に働き、陰では慈善活動にいそしむ…この人生をロックと言わずして何と言わん。
あまりにも有名な「セクシャルバイオレットNo.1」ですが、この曲のかっこ良さは、単に松本隆、筒美京平というゴールデンコンビによるものではありません。この曲のこの時代の先端を行くアレンジは、桑名さん自身によるものです。センスの良さが光っていますね。
お年を召してからの桑名さんもまた、カリスマ性のある男らしさを醸し出していました。私はこの堀内孝雄さんとのセッションが大好きです。この人の音楽性、人間性、様々な才能というものが、桑名さん自身の演奏、歌、表情に現れていると感じます。
少し話が逸れますが、彼の息子さん「美勇士」さんは「みゅーじ」と発音します。今では「みゅ」という音を持つ名前を時々見かけます(生徒にもいます)が、当時は非常に珍しかった。
私の学問的師匠である金田一春彦さんが、いろいろな本の中で「(当時)和語の中で『みゅ』という音韻が認められるのは、山梨県の地名・人名にある『大豆生田』(おおまみゅーだ)と、最近あるロック歌手の息子さんにつけられた『美勇士』だけだ」と書いていました。
その美勇士さんも31歳。一児の父親となっています。正博さんもお孫さんの顔を見ることができて良かった…いや、孫の成長をもっと見守っていたかったでしょうね。
ご冥福をお祈りします。
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